朝ドラヒロインから国民的ヒロインに

週6話、基本的に半年間放送されるNHKの「連続テレビ小説」。通称、朝ドラ。
朝ドラのヒロインと言えば、長丁場の撮影と膨大なセリフ量をこなさなければいけないので、若手女優の登竜門とも呼べる大役である。
現在放送中の『べっぴんさん』は、芳根京子がヒロインを務めている。
芳根京子は、『花子とアン』で朝ドラデビューを飾っているので、今回で2度目の出演となる。近年では映画やドラマで主演を務めるなど、将来有望の若手女優のひとりである。
そんな登竜門を通ってきた女優を少しまとめてみようと思う。
 
第88作 『あまちゃん』 能年玲奈(のん)
第89作 『ごちそうさん』 杏
第90作 『花子とアン』 吉高由里子
第91作 『マッサン』 シャーロット・ケイト・フォックス(主演は玉山鉄二)
第92作 『まれ』 土屋太鳳
第93作 『あさが来た』 波瑠
第94作 『とと姉ちゃん』 高畑充希
第95作 『べっぴんさん』 芳根京子
 
なお、4月以降は、第96作の『ひよっこ』に有村架純、第97作の『わろてんか』に葵わかなが決定している。
 
近年の朝ドラが世間一般に話題になりだしたのは、やはり『あまちゃん』からだと思う。
劇中で、能年玲奈が頻繁に言う「じぇじぇじぇ」が2013年の流行語大賞に選ばれたのは、世間の関心度が高かったからだろう。そんな能年玲奈は芸名を〝のん〟に変え、去年公開された『この世界の片隅に』で声優を務め、大ヒットロングランを記録している。
『まれ』でヒロインを務めた土屋太鳳は、言うまでもなく朝ドラヒロインを経て飛躍していった女優のひとりだろう。映画『orange-オレンジ-』をはじめ、『青空エール』、本日公開の『PとJK』、夏公開の『兄に愛されすぎて困ってます』でヒロインを務めるなど、ヒロイン役になくてはならない存在になりつつある。
2017年度上半期放送の『ひよっこ』では、有村架純がついに朝ドラヒロインを務める。今回は、オーディションを行わずに主演者を決定。朝ドラの傾向として、幼少期などは違う子役が演じるのが普通だが、今回は高校3年から大人に成長していくヒロインを有村架純ひとりで演じる。役作りのために体重を5キロ増やすなど、このドラマに対する本気度が窺える。若手女優の中でも頭一つ抜けているイメージの有村架純が、どんな風に演じるのか見ものである。
 
そして、第97作『わろてんか』のヒロインが葵わかなになったことが、つい先日発表された。葵わかなと言えば、すでに解散しているが、乙女新党というアイドルグループに所属していた過去も持ち合わせている。元アイドルが朝ドラヒロインになるというシンデレラストーリーは最近聞いたことがないので、葵わかなの潜在能力の高さに驚かされた。現在アイドル活動しながらも、将来女優になりたいと思ってる子達の目指すべき姿を体現した葵わかなは本当に素晴らしいと思う。
最近では、映画『サバイバルファミリー』に出演し、今まで多かった真面目な役とは正反対の反抗的なJKを演じている。その姿を見て、演技のふり幅が大きいなと思っていたところだったので、この朝ドラを経験することによって、女優としてさらに成長していくのが楽しみである。
 
高視聴率連発の朝ドラだけに、「朝ドラヒロイン=国民的ヒロイン」といえるだろう。そんな、大役を演じる初々しい若手女優をこれからもテレビの外から見守っていきたい。
 
 

ライター・YKDM