PICK UP IDOL わーすた
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
「わんだふるYEAR」の集大成
幅の広がった3rdアルバム発売
――わーすたは海外でのライブが増えたので、皆さんも旅慣れてきた感じですか?
廣川「飛行機で必要なものとかがわかってきて、深夜便にも慣れました」。
松田「タイや台湾は3~4回行かせてもらっているので、行くと逆に帰ってきた感があります(笑)。みんなリラックスした表情で街を歩いて、写真を撮ったりしていて、1月には冬の日本から気候的に夏のタイに行きましたけど、ガラッと変わる感じも気持ち良かったです」。
三品「ただ、荷作りには時間がかかります。冬服で行くけど、向こうに着いたら夏服になりたい。半袖のまま帰って来られないから、アウターが要る。着替えのタイミングを考えて手荷物にするもの、キャリーに入れるもの……と分けるのが、めちゃくちゃ難しいです」。
小玉「前日にギリギリまで荷作りしていると、寝るのが遅くなって大変だし、余裕を持ってやろうと思うんですけど、毎回そういう違う季節の服を出したりするのが後回しになって、結局、前日の深夜に始めちゃうんですよね(笑)」。
坂元「北海道や沖縄に行くときの飛行機で、一瞬『あっ、パスポート忘れた!』と焦って、『違う違う! 国内だ!』とホッとするようになりました。そこで『World Standardしているな』と思います(笑)」。
――葉月さんは相変わらず、遠征にぬいぐるみを持って行くんですか?
坂元「去年20歳になって、ぬいぐるみは卒業したんですよ! さすがに持ち歩いていたら、もうヤバイと思ったので(笑)、おうちの中だけで楽しむことにしました」。
――おうちでは20歳になっても、ぬいぐるみで楽しんでいるわけですね(笑)。
坂元「はい。たくさんいます(笑)。今回の私の衣装にもぬいぐるみがいっぱい付いているので、ありがたいです」。
――わーすたらしい衣装で、奈々聖さんのスカートが釣り鐘みたいで面白いですね。
廣川「すごく変わったフォルムだから、脚が引っ掛かってコケそうになりますけど(笑)、ファンの方に『かわいいね』と言ってもらってます」。
三品「真ん中の3人がかさばる衣装なんですよ」。
小玉「幅を取るので、写真のときは絶対『ちょっと寄って』と言われます(笑)」。
三品「ギュッとなるとスカートが潰れちゃうので、腰を引きながら上半身だけ寄る技術を身に付けました(笑)」。
――3rdアルバム「CAT’CH THE WORLD」は「わーすたわんだふるYEAR」と称して活動した1年の集大成として、ミニアルバム収録曲やライブで発表した曲を含む全13曲が収められました。
松田「私がめっちゃ好きなのは『スーパーありがとう』です。ライブに来てくれたファンの皆さんに最上級の『ありがとう』を伝えるストレートの歌詞で、夏にツアーやフェスでよく最後に歌ったので、たくさん思い出があります」。
――何年か前のツアーでも、「『ありがとう』以上の感謝を伝える言葉が欲しい」と話していて、そのときは「鬼ありがとう」と言ってました(笑)。
坂元「めっちゃ言ってた!」
廣川「そのまま『鬼ありがとう』という曲にならなくて良かった(笑)」。
小玉「良い言葉が見つかりました。『伝わりますように』とパフォーマンスメンバー(坂元、松田、小玉)が小声でささやいてますけど、普通のレコーディングと全然違いました。ささやきでも『滑舌はしっかり、気持ちを乗せて……』とか、ひと言の中にこだわりがいっぱい入ってます」。
――「気をつけて帰ってね 忘れ物しないでね」とも歌っていますが、皆さん自身がライブ会場とかで忘れ物をすることはありませんか?
廣川「ありますね。一番忘れ物をするのは美里です。何かを忘れてくるんじゃなくて、普通にリュックごと置いてきたりしちゃうから、呆れるのを通り越してすごいと思います(笑)」。
松田「ハハハハ(笑)」。
小玉「最初は『気をつけて』とか『ちゃんと確認して』と言ってましたけど、注意して直るレベルではなくて、忘れ物をする体質なんだと(笑)、私たちもわかったので、最近はサポートに徹しています」。
廣川「怒っても仕方ないので、誉めて改善させようと思って『すごーい。今日はちゃんと荷物を持ってきたんだね』と言ったりします(笑)」。
――小さい子どもにそう言ってるお母さんがいますね(笑)。しかし美里さんは、リュックがなくても気づかないものですか?
松田「あまり覚えてないんですよね。記憶にあるのは、トートバックを持って満足しちゃって、リュックを背負うのを忘れてしまったことぐらいです(笑)。でも、最新のタイ遠征では、1コも忘れ物をしなかったんです!」。
三品「いや、タイでもやりかけたんですよ。カバンをイスに置いたまま、ホテルから出て行こうとしてました(笑)」。
小玉「あと、私は同じ部屋で、美里が『よし、忘れ物はない!』って出ようとしたんですけど、見たら帰りのチケットとかが一式、机に置いたままでした(笑)」。
廣川「うわっ!」。
小玉「私がいなかったら、日本に帰ってこられなかったと思います(笑)」。
松田「ヤバイですよね……(笑)」。
三品「私は家から衣装の靴下を持ってくるのをよく忘れます。ステージで靴からちょっと出た靴下を履いているときは、忘れてきたんだと思ってください(笑)」。
――他の皆さんは、今回のアルバムで特に心を打たれた曲はありますか?
廣川「私は『PLATONIC GIRL』ですね。『こういう曲が欲しかった!』という感じでした」。
――ライブでは奈々聖さんと瑠香さんがスタンドマイクで歌うのが映える、バリバリのロックチューン。
廣川「最初にいただいた音源の仮歌の方の完成度が高くて、『歌いこなせたらめっちゃカッコイイけど、自分がこんなふうに歌えるかな?』って、すごく不安でした。でもレコーディングに行ったら、先に録っていた瑠香が1人でめちゃめちゃ盛り上がっていて、サイコーな感じだったんです」。
三品「ハハハハ(笑)」。
廣川「すごくイイ感じでノリノリで、掛け合いのパートまで1人で歌っていたから、私も何か見えたんです。だから楽しくレコーディングできたし、ライブだともっと弾けて歌えるので、テンションがアガりますね」。
三品「私も仮歌を聴いたときは『こんな曲を歌えるのかな?』と思って、レコーディングに行って練習しても、歌い方が掴めなかったんですよ。でも、だんだん楽しくなってきて、1人で盛り上がっちゃったみたいです(笑)」。
小玉「私が心打たれたのは『スタンドアロン・コンプレックス』。こういう重い曲は今までなかったから、まず、歌詞に注目して聴いたら、自分と重なるところもありつつ、孤独や寂しさが伝わってきたので、泣きそうになりました」。
――夢のために上京して、孤独を乗り越えて決意するのが、自分と重なった感じですか?
小玉「そうですね。パフォーマンスをするときもダンスが歌詞と合っていて感情が入りやすいので、ライブ中も泣きそうになります」。
坂元「私は『心を打たれた』という意味を履き違えてなければ、『ぐるトレ』です。履き違えてる(笑)?」。
廣川「いいんだけど(笑)」。
三品「面白い(笑)」。
――感動系ではなくて、筋トレの歌ですね。
坂元「レコーディングから、すごく楽しかったです。振り付けも本当に筋肉痛になるくらい、たくさん手を回したり、結構重いマイクを持ちながら必死に踊るんですけど、私は動き回るのが大好きでライブ中も常に動いていたいので、楽しすぎます! もうアドレナリンが爆発しちゃって、ある意味、心を打たれました(笑)」。
――葉月さんセンターで始まって、「明日 君が筋肉痛になりますように」という台詞から入ります。
坂元「みんなに愛を届けるつもりで、自分の中のかわいい要素を全面に出しつつ、えげつないことを言ってます(笑)」。
松田「実際に『この曲を聴きながら筋トレしてるよ』と言ってくれる人がいました」。
坂元「私も最近、寝る前に『ぐるトレ』をかけて腹筋をやろうとしているんですけど、まだ人生で一度も腹筋で(上半身を)上げられたことがありません(笑)」。
ライブで場数を踏んだことが
大きな力になったと思います
――奈々聖さんはブログで、初のウィンターソング「Love Unmelt」にも「こんな曲がずっと欲しかったーー!」と書いてました。
廣川「これは年末の『わーしっぷ大感謝祭』で初披露するまで、ちょっと長かったんです。だから、早く歌いたい気持ちがどんどん募ってました」。
――正統派のラブソングですね。
廣川「切なさもあるけど悲しくはなくて、『この恋がいつまでも続きますように』という感じの曲です。ラブソングだけど爽快で疾走感があるので、聴きやすくてすごく良い曲だと思います」。
――甘いというよりカッコいいので、瑠香さんのハイトーンもキマってます。
三品「サビの音がすごく耳に残るようになっていて、歌っていても楽しいから、私もこの曲、すごく好きです」。
――“雪の中に2人”みたいな情景は、女子として憧れます?
坂元「いいですよね~」。
三品「ロマンチック」。
廣川「北海道のキロロリゾートでPR動画の撮影があって、みんなでスキーとかしたから、余計にこの曲がイメージできて、『雪、いいな』と思います」。
坂元「スキー場だと顔が盛れるし(笑)」。
廣川「ゲレンデマジックがあるからね(笑)」。
小玉「私は北海道で小さい頃から雪遊びをしてきるので、そういう憧れもありますけど、雪の中に長時間いるのは遠慮したいです(笑)。かまくらにずっといたりすると、凍え死にそうになるんですよ。だからロマンチックでも、夢だけにしておこうかなと思います(笑)」。
――あのキロロリゾートの動画を観ると、葉月さんはスキー、うまいんですね。
坂元「メンバーの周りをドヤ顔で滑ってました(笑)。小さいときから毎年、親戚みんなで兵庫の北のほうにあるスキー場に行っていたので。私は腹筋はできないし、球技もちょっとダメだけど(笑)、ウィンタースポーツなら大丈夫です!」。
小玉「私もスキーは毎年、学校の授業で山に行ってやっていたんですけど、今回の撮影では初めてスノーボードをやって、全然できなかったです。スッテンコロリンしてました(笑)」。
――南のほう出身のメンバーは?
廣川「スキーは2回目でしたけど、結構滑れました」。
三品「私は愛知で日本の真ん中ですけど(笑)、両親がウィンタースポーツが好きで、小さいときに雪山に連れて行かれていたみたいです。でも記憶に全然なくて、本格的にやったのは初めてでした。何回も転んで腰をめちゃくちゃ強打して、動けなくなっちゃって骨折したかと思ったけど(笑)、ケガだけはしないように滑りました」。
松田「私はウィンタースポーツも雪山も初めてだったけど、コケながらも意外と滑れたので、楽しかったです」。
――このアルバムを聴いても、ここ1年のライブを観ていても、皆さんの著しいスキルアップを感じます。奈々聖さんのヴォーカルには艶っぽさが出てきましたね。
廣川「ホントですか? 新曲が来るたびに曲調がコロコロ違っていて(笑)、艶っぽく聞こえるようにこだわったりもしたので、うれしいです」。
――リード曲「くらえ!必殺!!ねこパンチ★~私達、戦うにゃこたん【レベル5】~」にも、そういうパートがありました。
廣川「久しぶりに意味のわからない曲ですけど(笑)、Dメロの辺りに艶っぽく歌うところがあります。本当にこのアルバムの曲は難しくて、ちょっと悲鳴を上げました(笑)」。
――レッスンを増やしたりもしているんですか?
廣川「瑠香と2人でヴォーカルレッスンを1年くらい受けていて、その成果もありますけど、ライブの場数を踏んでいることのほうが力になっている気がします。私は昔から、細かいことを言われても全然できないので、『楽しい!』と感じながら歌ったほうが、うまくなれるのかなと思います」。
――レッスンも大事でしょうけど、「練習を100回するより舞台に1 回立ったほうがうまくなる」という話も聞きます。梨々華さんたちのパフォーマンス力もすごく上がったのでは?
小玉「曲の振り幅が広がって、本当にいろいろなジャンルのダンスを踊らせてもらってます。奈々聖と一緒で、普通にレッスンしているより、ステージでいろいろな楽曲を踊ることによって、踊り方や見せ方、表情を自分たちで見つけられています。それが大きかったと、『わんだふるYEAR』ですごく感じました」。
――奈々聖さんと美里さんは1年前に高校を卒業してから、何か変わったことはありましたか?
松田「私は勉強が嫌いで、テスト前もちゃんとやらなくて、点数ギリギリで卒業したので(笑)、課題をやったりする苦痛の時間がなくなったのはうれしかったです」。
――今回収録された「やーだー」みたいに「テストも勉強も全部がやだ」という感じだったんですか?
松田「その頃はこの曲がなかったんですけど、毎日そう思ってました(笑)。もともと学校に行っても何をしていても、わーすたのことが頭にあったんです。だから卒業するときは、生活の全部をわーすたに捧げられるからワクワクしましたけど、『もう高校生じゃない』という責任感の面では、結構変わりました」。
廣川「私も高校生の頃から、頭は完全にわーすたに行っていたので、卒業してからもそんなに変わったことはありません。映画館とかに行くと学割がきかなくて、『くっそー!』となるくらいです(笑)」。
――瑠香さんと梨々華さんは卒業が近づいてきました。
三品「学割を使っておこうと思います(笑)。私も自分の中で学校の比重は薄かったんですけど、一応やらなきゃいけないことはやりながら、高校生っぽいこともしてました」。
――プリクラを撮ったり?
三品「しました。地元に帰ったときに友だちと遊んだりすると『高校生だな』と感じて、そういうことも楽しんでいたので、JKブランドがなくなっちゃうのは痛いです(笑)」。
小玉「それは悲しいですね~(笑)。この活動を始めてからずっと、学校と両立が当たり前だったので、学校に行かなくなるのはすごく不思議な感じがします。でも、わーすた1本でやれるので、グループのプラスになれるように頑張りたいです」。
――葉月さんは去年20歳になる前、「居酒屋さんで『とりあえず生で』と言いたい」と話してましたが、言ってますか(笑)?
坂元「実家に帰ったとき、お父さんに『ひと口でいいから』と言われてビールを飲んだんですけど、ビックリするくらいおいしくなかったんです(笑)。だから、憧れの『とりあえず生で』はまだ言えない状況です(笑)」。
――どんなときに成人した実感がありますか?
坂元「グループで自己紹介をするとき、『皆さん10代なんですか?』と聞かれて、『私だけ20歳です』と言うことが多いので、結構実感はしてます。今年で奈々聖と美里も20歳になるので、『早くこっちに来て』と思ってます(笑)」。
――3月31日の4周年記念ワンマンライブが「わんだふるYEAR」の締めになりますが、この1年、仕事以外でも“わんだふる”なことはありましたか?
松田「仕事以外の記憶は薄いんです(笑)」。
坂元「私は20歳の誕生日に、ファンの方からいろいろなメイク道具をもらったり、『葉月ちゃんはこういう服が似合うと思うよ』と教わったのがきっかけで、やっとメイクやファッションに興味を持ち始めました(笑)。最近は美容系のユーチューバーさんを見て、『このアイシャドウ、かわいいな』とかチェックしてます」。
松田「前はマスカラもまつ毛に適当に塗るだけだったのに(笑)」。
坂元「今までは服も何が好きとかはなくて、『これを着てればいいや』という感じだったんですけど、20歳をきっかけにファッションも好きになって、『今度スペインに行くときはこういう格好をしたいな』と考えたり、冬にタイに行って夏服を着られるのがうれしかったり、そういうところで楽しんでいます」。
――以前は私服だとGパンが多かったようですが、今はスカートを穿いてたり?
坂元「スカートの頻度は上がりました。新しいワンピースを買って着るようになったから、少しは成長したんじゃないかと思います(笑)」。
――普通の女の子がオシャレに目覚めるのは何歳くらいですか?
三品「15、6歳じゃないですか?」。
廣川「もっと早いかも」。
小玉「中学生?」。
廣川「小学校高学年でもこだわるかな」。
坂元「20歳になって、やっと追いつきました(笑)」。
廣川「私はすごくちっちゃなことですけど、最近、表参道を歩いていて、マフラーを鼻まで巻いていたのに、すれ違った方に『あっ、わーすたの人だ』と言われたんです。ちょっと感動しました(笑)」。
――猫耳を付けていたわけではないですよね(笑)?
廣川「付けてないです。顔もマフラーでだいぶ覆っていました」。
三品「奈々聖は目でわかるかも」。
廣川「でも、名前までは知られてない感じだったので、今度は『廣川だ』と呼ばれたいです(笑)」。
――それも今後のわーすたの活躍次第ですかね?
廣川「そうですね。『ゆうめいに、にゃりたい。』です(笑)!」。
わーすた
avexのアイドル専門レーベル「iDOL Street」の第4弾グループとして、2015年3月29日にメンバー5人で結成。英語表記は「The World Standard」で世界に照準を合わせていく。デジタルネイティブ世代アイドルとして、SNSとリアルの活動を通じて、海外にKAWAIIジャパンアイドルカルチャーを発信する。2016年5月4日に1stアルバム「The World Standard」でメジャーデビュー。9月28日に1stシングル「完全なるアイドル」を発売。
【CHECK IT】
3枚目のフルアルバム「CAT’CH THE WORLD」が発売中。「わーすた 4th Anniversary LIVE~わんだふるこれくしょん~」を3月31日(日)に 恵比寿ガーデンホールで開催。同日に、わーすた1st写真集「わんだふるこれくしょん」を発売。
詳しくはわーすた 公式サイトへ
坂元葉月(さかもと・はづき)
生年月日:1998年9月 9日(20歳)
出身地:兵庫県
血液型:O型
廣川奈々聖(ひろかわ・ななせ)
生年月日:1999年5月12日(19歳)
出身地:福岡県
血液型:B型
松田美里(まつだ・みり)
生年月日:1999年8月2日(19歳)
出身地:広島県
血液型:A型
小玉梨々華(こだま・りりか)
生年月日:2000年10月1日(18歳)
出身地:北海道
血液型:A型
三品瑠香(みしな・るか)
生年月日:2001年3月17日(17歳)
出身地:愛知県
血液型:A型
「CAT’CH THE WORLD」
CD+Blu-ray ¥3,500(税込)
CD ¥3,000(税込)