PICK UP ACTRESS 内田珠鈴
PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸
「めざましテレビ」で注目の美少女が舞台デビュー
自然に涙があふれてきてびっくりしてます
――「めざましテレビ」の“イマドキガール”として注目され、現在は歌手に女優にとマルチに活躍している内田さんですが、今月17日から始まる「バカデカ 勿忘草」で舞台デビューも果たします。映画やドラマの経験はありますが、舞台の稽古を進めていく中で、感覚の違いってありますか?
「まず声の出し方が全然違うなと思いました。マイクがないので、地声で張って出さなければならないんです。それで発声方法を身につけていくうちに、お芝居ではもちろん、歌にもいい影響があって、声がしっかり出るようになってきたのでよかったなと思います」。
――ライブのときも、より声が出るようになった?
「はい。だから今まで以上にライブを楽しめるようになりました!」。
――でも、ここ最近、内田さんが発表している楽曲はやや抑えめのボーカルが特徴ですが……。
「そうですね。でも、そういう楽曲だからこそ、音程やリズムの取り方が難しく、お腹でしっかりと支えないと歌えないので、そこはよかったなと思います」。
――今回の舞台は、九州の警察署を舞台に、クセのある刑事たちが泥臭い人間ドラマを繰り広げるという内容ですが、その中で内田さんの役柄は?
「女子高生の森今日子役で、主人公の刑事さんの娘の友だちです。友だちが入院していて毎日のようにお見舞いに通っています。自分には刑事の娘や入院している友だちはこれまでいなかったので、どういう気持ちなんだろうと考えながらお芝居しています。難しいですけど、楽しいです!」。
――内田さんの地元・九州の設定ということで、セリフに「~ばってん」「なんばしよっとか」といった方言も出てきます。内田さんがテレビなどで話すときは方言が出る機会がないので結構新鮮ですね。方言女子萌えな感じで(笑)。
「そうですね(笑)。テレビだと年が近い人と共演して話す機会も少ないので」。
――今、舞台ならではの難しさを実感したり、課題に感じていることってありますか?
「一番は発声なんですけど、それ以外だと、お客さんに生で直接観ていただくので、自分の感情やテンションの上げ方が難しいなと思います。いっぱい台本を読んで、どういう気持ちなんだろうといっぱい考えて演じています」。
――舞台に限らず、演技の楽しさってわかるようになってきましたか?
「今までは少ししかお芝居をやってこなかったので、なんとなくしかわからなかったんですけど、こうやって舞台の稽古で毎日毎日お芝居をしていて、自分じゃない役を演じることで、自分じゃない人生を本当に歩めるんだなということを実感しています。気持ちができてくると自然に涙があふれてくることがあって、自分でもびっくりしています」。
――内田さんは自分の曲を自ら作詞しているので、そこで発表するのは内田珠鈴自身の世界ですが、演技の場合は自分じゃないものを表現するということですね。
「そうですね。そこが全然違うところだなと思います」。
――詞を作るときって、自分の中にあるものや実体験を表現します? それとも、想像や何かをモチーフにして作ります?
「落ち込んでいるときは、『本当にこの人やばいんじゃないか?』って思われるような病んでる詞を書いたり、逆にすごく調子がいいときは、すごく楽しい歌詞を書いたり、全体的には自分の気持ちがそのまま表れています。でも、具体的な歌詞の内容や構成、たとえば恋愛の歌などは、想像だったり本を読んだりして膨らませていきます」。
――さて舞台はまもなく開幕ですが、今は不安と楽しみ、どちらのほうが大きい?
「楽しみのほうが大きいですね。共演者は先輩の方ばかりなんですけど、みなさんやさしくて、安心してお芝居できているので。最初は私しか高校生がいないし、みなさん大人だから、『大丈夫かな?』と思ったんですけど、すごくやさしくて面白い方ばかりだったので安心しました。とても仲良くしていただいてます」。
――稽古を見学させてもらっていたんですけど、みんなのかわいい妹みたいな存在になっていますね。
「嬉しいです(笑)。みなさん、私が舞台の発声が初めてだと聞いて、一緒に一からやっていただいているので、感謝しています!」。
アイドルは見る専門でいいです!
アーティスティックな音楽性で歌手としても注目
――さて内田さんがこの世界に入ったきっかけは小学生向けのファッション雑誌「JSガール」のオーディションでグランプリになって専属モデルになったことだそうですが、もともとモデルを志したきっかけは?
「ピアノを習っていて幼い頃から音楽が好きだったんですけど、ピアノの発表会用の衣装を買いに行ったときに、その洋服のブランドのモデルをやってみないかと声をかけていただいたんです。そのモデルの仕事は一回だけだったんですけど、またやりたいなと思って、雑誌の専属モデルオーディションに応募しました」。
――専属モデルを始めたのは……。
「小学6年生でした。その後、中学の3年間は地元の福岡から通いで、高校入学にあたって上京しました」。
――以前スタッフの人から聞いた話によると、上京にあたって大手のタレントプロダクション数社からも声がかかっていた中、今の事務所(つばさプラス)を選んだということですが……。
「そうですね。一番の理由は先輩に川嶋あいさん、井上苑子さんという、自分の好きなアーティストさんがいたことでした。事務所に入る前に川嶋あいさんにカラオケに連れて行ってもらったりして、こんなに新人にやさしくしてくださるんだなとびっくりしました」。
――でも、そのときはモデル活動を第一にやっていきたいと考えていたのでは? その一方で音楽をやりたいという思いも?
「もともと専属モデルになる前は音楽をやりたいと思っていて、小学6年生から専属モデルを始めましたが、小学校の卒業アルバムには『CDデビューしたい』と書いていました。モデルをやりながらも音楽をやりたいと言い続けてきたので、やっと実現できて嬉しかったです」。
「はい。好きな方向の音楽をやらせてもらえているのが嬉しいです。私、見る側としてアイドルが大好きなので、その中に私が入るというのは畏れ多いなと思います」。
――いや、そんなことはないでしょう(笑)。
「いえいえ。アイドルは見る専門でいいです!」。
――特に同じ九州出身の指原莉乃さんや田中れいなさんがずっと大好きだったとか。
「はい。お二人はもう、めっちゃくちゃ大好きです! この間は田中れいなさんのライブに行ってきました」。
――田中さんは歌手活動をベースにしつつ舞台にも積極的に出られていますが、そのスタンスは、今の内田さんが目指すところなのかもしれませんね。そして、歌手としては、シングル「君はもういない/nude」が発売されました。
「自分にとって久しぶりのCDのリリースなので、手に取ったときの感動がすごく大きかったです」。
――しばらくは配信リリースが続きましたからね。
「はい。だからみなさんにもぜひ手にとって聴いていただきたいです!」。
内田珠鈴(うちだ・しゅり)
生年月日:2001年4月26日(17歳)
出身地:福岡県
【CHECK IT】
2013年、小学6年生のときに、ファッション雑誌「JSガール」のオーディションでグランプリを受賞し専属モデルに。2017年から拠点を東京に移し、アーティスト、女優としても活動を開始。現在「めざましテレビ」に“イマドキガール”として出演中。ニューシングル「君はもういない/nude」をタワーレコード渋谷店とライブ会場限定で1,000枚リリース。劇団 男魂(メンソウル)第19回公演「バカデカ 勿忘草」は4月17日(水)~21日(日)、あうるすぽっと(池袋)にて上演。
詳しい情報は劇団 男魂(メンソウル)公式HPへ