PICK UP IDOL ラストアイドル
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
史上最高難度のダンスに挑んだ
7thシングル「青春トレイン」発売
――バブリーダンスのakane先生による最高難度のダンス企画では、メンバーがスキルでA~Cとグループ分けされて、エース格の長月さんがBというガチぶりが衝撃的でした。
長月『今まで『何でもできます』みたいにしてましたけど、実はダンスはヘタなんです。家でめちゃくちゃ練習して満点を目指していたのが、いきなり踊るように言われたら追い付けなくて30点くらいでした」。
――akane先生から「顔でごまかしてる」「詰めが甘い」と厳しい指摘がありました。
長月「踊りを体だけで表現できなくて、顔で補うしかなかったんです。『詰めが甘い』もずっと言われてきました。お風呂掃除をして洗剤を元に戻さないとか(笑)、そういうところがあるし、何かを最後までやり通したことがなかったので、言われてドキッとしました」。
――奥村さんは最初、ダンスの途中で棒立ちになってCでした。
奥村「振りが覚えられなくて、少しでも動こうと思ったんですけど、ラストアイドルに入って1年でダンス経験がなかったから、何もできませんでした。あれはやる気がないと思われますよね。実際、経験のなさを言い訳に甘えていたと気づいたので、『そんなの関係ない!』と練習しました」。
――見違えるように上達して、Bに昇格しました。
奥村「最初は1人で練習したんですけど、どうしたらカッコ良く踊れるかわからなかったので、阿部さんに教えていただいたり、先輩方の動画を送ってもらって研究しました」。
――5班に分かれて阿部さんは班長になって、自分の班の一員だった奥村さんの上達ぶりはどう見てました?
阿部「すごいと思いました。最初のオーディションのあと、『教えてもらったのに踊れなくてすいません』と言ってきてくれたんですけど、次のオーディションではすっかり踊れて、本当に頑張ったのがわかりました。たぶん、もともとセンスがあったんですよね」。
奥村「そんなことはないです。阿部さんに『教えてください』とひと言言うのに、すごく時間がかかりました(笑)。先輩なので勇気が出なかったし、オーディション前だから自分が練習したいはずじゃないですか。だから迷ったんですけど、思い切ってお願いしたら、やさしく教えてくれました」。
――奥村さんは新潟の百貨店の店員だったんですよね。他のメンバーはそういう部分を感じますか?
長月「大人の方と話しているときに『うまいな』と思います(笑)。大人との接し方って難しいじゃないですか。怒らせちゃうかもしれないし。私はこの2年、そういうことを学びたいと思っていて、奥村ちゃんの態度や言葉遣いが参考になるから『こういうことか』と盗み見してます(笑)」。
相澤「いつも笑顔で、ちゃんとしていて、社会人経験があると違うなと感じます。ラストアイドルは子ども大人みたいなメンバーが多いので、いろいろ教えてほしいです」。
奥村「そんな~。私からしたら相澤さんのほうが断然大人です」。
――ダンスの話に戻ると、大場さんもCからBに昇格。
大場「私も奥さん(奥村)と一緒で、先輩から動画を送ってもらいました。自分の班長だった池松(愛理)さんや、話し掛けやすい2期のAの畑(美紗起)や米田(みいな)やまなてぃ(岡村茉奈)に頼んで、見よう見まねで練習したり……。あと、ダンスの基礎がないので『どうしたら自分の気持ち悪い動きが直りますか?』とか聞きました。それで家の鏡の前……というか、夜に雨戸を閉めて電気をつけると窓が鏡になるので(笑)、その前で踊ってました」。
――自宅練習の様子は「ラスアイ、よろしく!」でも密着取材されましたが、練習していた部屋に「自然の美」という書道が飾ってあって気になりました(笑)。
大場「あれは小学生のときに書いたもので、佳作を取りました(笑)」。
――相澤さんは最初から池松さん、間島和奏さんと共にリーダーを命じられました。阿部さんもAから班長になりましたが、2人は自分でもダンスはイケると?
相澤「もともと地元でアイドル活動はしてましたけど、ダンスのレッスンをちゃんと受けたことはないんです。アイドルとしての振付はやってきても、今回のようなバキバキのダンスは経験なかったので、まさかリーダーになるとは思ってませんでした。教えるのは得意じゃないから苦戦しましたけど、今まで話したことがない2期生も進んで聞きにきてくれて、どうしたら伝わるか、みんなのレベルを底上げできるか考えました」。
阿部「私は3歳からアイドルのダンスは習ってましたけど、こういう本格的で激しいのは久しぶりすぎて、忘れちゃってました。基礎やストレッチも全然やってなかったから、最初に振り入れをしたときは『無理かもしれない』と思いました」。
――班長ということでは、阿部さんはあまり厳しく指導するイメージはありませんが……。
阿部「厳しくはしません。教えるのがヘタで進んでやるタイプではないので、どうしようかと思いました。一応カウントを数えたりしましたけど、『意味ないよな。ごめんなさい』と思いながらやっていて(笑)。でも、レッスンを重ねるごとに慣れて、今まで避けてきたけど身に付けなきゃいけないのもわかっていたので、結果的には良かったです」。
――合宿の雰囲気はどうでした?
長月「空気は良かったけど、地獄絵図でした(笑)。家に帰りつつ4日間ぶっ通し。akaneさんは本物のダンスの先生だからアスリートのような要求をされて、体の小さい私たちにはキツくて……。休憩中はみんな寝転がったり、バタバタ崩れてました」。
自分たちの体験や境遇と重なる歌で
「負けない!」という気持ちになります
――試練を乗り越えて仕上がった「青春トレイン」、相澤さんは「大好きな言葉がたくさん詰まってる」とツイートしてました。特にどの辺が大好きですか?
相澤「サビの『夢など見なけりゃいいんだ 傷つくこともないのに』ですね。ラストアイドルはつらい企画をたくさんして、戦って負けて傷つくこともあって……。諦めてしまえば、そんな経験しなくていいのに、耐えている。自分たちの境遇に重なって『負けないぞ!』という気持ちになりました」。
――シングル表題曲を賭けたユニットバトルの決勝で敗れて、「なんで……」と崩れ落ちたときのことも浮かびます?
相澤「いつも、そのときのこととか思い出しながら、歌ってます」。
長月「私は最後の『死んでも絶対大人にならない』に鳥肌が立ちました。どういう意味なんだろう? だって、絶対大人になっちゃうじゃないですか」。
――年齢的にはそうですね。
長月「そう。『自分で経験しなくても 行ったふりすればいい』と言う大人には、絶対ならないということなのか……」。
――長月さんは大人を嫌ってそうですよね(笑)。
長月「そんなことないですよ(笑)。ただ、大人が曲がったことをしているのが嫌いなんですよ。間違ったことを子どもに教える大人が嫌い。私たちが一生懸命考えたことを大人に曲げられたら許せません。でも、自分は早く大人になりたいと思ってます」。
――「何度も挫折をしながら それでも人は立ち上がる」も、多くの逆境を乗り越えた長月さんに似つかわしいですね。
長月「私はどうしてもアイドルになりたくて、自分で生活しようとしたし、お客さんが1人か2人しかいないところで歌ったり、会場までの電車賃すらないこともありました。そんなときにラストアイドルに受かって、『これで楽になる』と思ったら、バトルで負けて落とされて、またゼロからスタート。それでも私にはアイドルしかなかったから、アイドルで挫折することはやめました」。
――7月にツイッターで「さすがに痩せることにする」とありましたが、ダイエットも挫折してませんか?
長月「私、1年で7カ月くらいは痩せてますけど、太っている時期が4カ月くらいあって、今がそれ。年間で4~5キロ体重が変わるので、今日からまた頑張ります(笑)」。
――阿部さんは挫折知らずの人生?
阿部「まあ、そうですね(笑)。良くも悪くも考えすぎない性格で『何とかなるだろう』と生きてきて、何とかなってました。でも、ラストアイドルに入ってからの2年は環境が変化しすぎて、初めての感情もたくさん経験しました。だから、この歌詞は昔の自分なら全然共感できなかったと思いますけど、今はすごく染みます」。
――青春トレインに「どうするんだ?」「乗らないのか?」というのは、奥村さんが百貨店員からアイドルに挑んだ心境とも重なるのでは?
奥村「安定を求めるなら今のお仕事でいい。でも、絶対アイドルになりたい! そういう葛藤はあったので、自分と重ねてしまいます。私は年齢的に『死んでも絶対大人にならない』は違う意味でグサッときて、いつも『もう大人になってるよ……』と思いながら、ポーズを取ってますけど(笑)」。
――でも、「そろそろ楽して大人になるか?」は拒否したんですね。
奥村「今までは楽して大人になってきたんです。受験も就職も簡単な道を選んだので、逆に今、アイドル活動で苦労してます。それでも、この道を選んで良かったと思ってます」。
――大場さんも2期暫定メンバー時代、高3で「私の進路はラストアイドル」と明言しました。
大場「懐かし~い。私も奥さんと同じで、高校受験でも上を目指さず楽に入れる学校に行ったり、自分の限界を突破する努力をしてこなかったんです。ラストアイドルで初めて自分で一歩踏み出せて、歌っていてそのときのことも思い出します」。
――では最後に、曲と関係なくても“トレイン”にまつわるエピソードはありますか?
相澤「この前、仕事の現場に行くときに電車に乗って、猪子れいあと『何時に着く?』『だったら同じ電車だ』とLINEしていたんです。車両がだいぶ離れたいたから、2人で駅に着くたび移動して近づいて、『あとひとつで同じ車両だから行くね』と言われて待っていたら、全然来ないんです。『今、何駅?』と聞くと、れいあはひとつ先の駅にいて、実は1本違う電車に乗っていたことがわかりました(笑)。お互い別々の電車の中を無駄に移動してました」。
奥村「東京の電車って、駅に着くと勝手にドアが開きますよね。新潟は手動なんです(笑)。ピシューッと少し開いたのを、自分でガラガラ開けます。東京で初めて電車に乗ったとき、すぐ開くのが変な感じでした(笑)」。
大場「お仕事帰りに東京から千葉の家に帰ろうとしたら、電車を乗り間違えて茨城に行っちゃいました(笑)。イヤホンをして携帯をいじっていて、『乗り換えはどこだっけ?』と思って車内の電光掲示板を見たら、全然知らない場所に来ていたんです。大回りして、夜遅くに家に着きました(笑)」。
ラストアイドル
2017年8月よりスタートしたテレビ番組「ラストアイドル」から、メンバー入れ替えバトルで勝ち残ったメンバーにより、同年12月に秋元康プロデュースのシングル「バンドワゴン」でメジャーデビュー。同時に敗退したメンバーで4組のセカンドユニットが誕生。番組の2ndシーズンでは2ndシングル表題曲を賭けて5組がそれぞれプロデューサーを付けた総当たり戦が行われた。2018年4月からの3rdシーズンで、再び入れ替えバトルにより2期生が決定。これまでに7枚のシングルをリリースしている。
【CHECK IT】
7thシングル「青春トレイン」が発売中。「ラスアイ、よろしく」(テレビ朝日系/土曜24:10~)が放送中。
詳しくはラストアイドル 公式サイトへ
阿部菜々実(あべ・ななみ)
生年月日:2002年5月17日(17歳)
出身地:山形県
血液型:O型
長月翠(ながつき・みどり)
生年月日:2000年5月 17日(19歳)
出身地:愛媛県
血液型:O型
相澤瑠香(あいざわ・るか)
生年月日:1999年5月 22日(20歳)
出身地:宮城県
血液型:A型
大場結女(おおば・ゆめ)
生年月日:2000年12月6日生まれ(18歳)
出身地:千葉県
血液型:A型
奥村優希(おくむら・ゆうき)
生年月日:1995年10月6日(23歳)
出身地:新潟県
血液型:B型
「青春トレイン」
初回生産限定盤(CD+DVD) ¥1,800(税込)
LaLuce盤(CD) ¥1,200(税込)
Good Tears盤(CD) ¥1,200(税込)
シュークリームロケッツ盤(CD) ¥1,200(税込)
Someday Somewhere盤(CD) ¥1,200(税込)
Love Cocchi盤(CD) ¥1,200(税込)
2期生盤(CD) ¥1,200(税込)
2期生アンダー盤(CD) ¥1,200(税込)
WEB盤(CD) ¥1,000(税込)
史上最高難度のダンスに挑んだ「青春トレイン」のMVはこちら!