PICK UP ACTRESS 今泉佑唯

PICK UP ACTRESS 今泉佑唯

PHOTO=草刈雅之 HAIR&MAKE=森下春花
STYLING=清水美樹 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

3人の共同生活を描く「転がるビー玉」で
路上ライブをしながら夢を追う役

 
 

――写真撮影のときに「だんご3兄弟」を歌っていたり、何かテンション高いですね。

「私、ずっとこんな感じなんです。しゃべってないほうが疲れます(笑)。自分らしくいたほうが楽しいと、この1年で気づいて、自分を抑えなくなったら、ストレスがなくなりました」。

――女優として本格始動してから出演作が続いてますが、以前は佑唯さんは歌が特に好きな印象がありました。ドラマや映画も観てきたんですか?

「はい。『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』とか『スマホを落としただけなのに』とか観てました。恋愛モノも、ちょっとホラーっぽいのも好きです」。

――今挙がった2作品は、共にヒロインが……。

「北川景子さんがすごく好きなんです。あと、ムロツヨシさんも。幅広い役を演じられる方に憧れます」。

――昨春、舞台「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」に出演したときは、演技的にいろいろ悩んだそうですが、その後は順調にやれている感じですか?

「どの役も難しいし、現場では他の方がお芝居をやられている年数が長いので、そこに自分がポンと入ると『浮いているだろうな』とか『足を引っ張ったらどうしよう』と思ってしまいます。でも皆さん、やさしくて、『こういうふうにしたら良くなるよ』とか教えていただいたので、この1年でたくさん吸収できました」。


――「転がるビー玉」の恵梨香役は、悩みどころはありました?

「恵梨香ちゃんは明るい子で、変に『どうしたら……』と悩まず、楽しかったです。自分自身と重なるところが多くて、『ここはよくわからない』というところは特にありませんでした」。

――路上でギターを弾いて歌っている役ですしね。

「自分も数年前に渋谷で歌っていて、聴いてくれている方が1人だと『嬉しいけど、もっとたくさん集まってくれたら』ともどかしかったり、気持ちのわかる部分はたくさんありました」。

――歌やギターはこの映画に備えて、改めて練習したんですか?

「ギターには全然触ってなくて、本当に久しぶりに弾きました。歌うのも『こんなに声が出ないんだ』と思ったし、ギターで初めてのコードもあって。曲をいただいてから撮影まで短かったので追い込まれつつ、そんなふうに追い込まれているのが個人的に楽しかったです(笑)」。

――そういう性格なんですか(笑)?

「私、Mなのかな(笑)? 『ああもう、ヤバイかも!』と焦っている時間がすごく好きです。乗り越えたときの達成感も大きいし、『追い込まれるのもいいかもな』と思いながら、練習してました」。


――恵梨香と重なるところが多いとのことですが、佑唯さんもプリン好き?

「好きです。1回ハマったら、ついつい買っちゃう気持ちもわかります」。

――恵梨香みたいに変な夢を見たりは?

「ありますね。最近だと、自分が動物園にいて檻が壊れちゃって、ライオンと追いかけっこをする夢を見ました(笑)。夢診断をすると、『今は追い込まれているから、こういう夢を見るんだ』とか、確かに現実とリンクしているように思います」。

――バスの中で昔の友だちと会って、「あいつら夏フェスに出るんだよ」と聞いて、微妙な表情になるシーンもありました。

「私も同じ立場だったら嫉妬するし、悲しい気持ちになっちゃいますね。『そこにいない私はダメなんだ……』って。私も日常で悲しいことや悔しいことがあると、ノートにブワーッと書いたりもします。恵梨香ちゃんみたいに、自分の腕に書いたりはしませんけど(笑)」。


――恵梨香は愛(吉川愛)、瑞穂(萩原みのり)と共同生活をしていて、それぞれ夢を追っていますが、3人の中では恵梨香が一番バランス感覚がありますかね?

「明るくて、ちょうど2人の中間くらいにいますね。でも、唯一働いてなくて、親の仕送りで生活していて、甘えている感じもします。一生懸命な部分もありますけど、どこか2人の必死さとは違っていて……」。

――でも、恵梨香はやさしいですよね。初めて感情を爆発させて泣いている愛を抱きしめてあげたり。

「寄り添っていましたね。『1人でごはんを食べて寂しかった』と泣いてるところもあったし、本当は2人ともっとワチャワチャしたかったんだろうなと思います」。

 
 

迷ったり遠慮しちゃう部分があるので
殻を破って全部120%でいきます

 
 

――吉川愛さんは「私とみのりちゃんは人見知りだけど、佑唯ちゃんがマイペースでドコドコ来てくれて、壁がなくなった」と話してました。

「撮影が終わってしまう前に、絶対に仲良くなりたかったんです。だから、勇気を出して近づいていった記憶があります。3人のシーンはアドリブが多くて、そこで素が出た部分もあって、『行くぞー!』みたいになっていきました」。


――渋谷の再開発で部屋からの立ち退きを通達された3人が、思い出に部屋で花火をするシーンでは、恵梨香は「私も泣けてきた」と涙を流してました。

「あそこもほぼアドリブで、台本では普通に花火をして終わりだったんです。でも、撮影も終盤のほうで、3人がちょうど仲良くなってきたところだったので、その寂しさもあって。ワチャワチャしゃべっているうちに、何か泣いてました」。

――吉川愛さんも萩原みのりさんも、同世代ながらキャリアがあって、演技力に定評のある女優さん。刺激を受けるところもありました?

「いっぱいありました。泣くシーンで私は『泣かなきゃ、泣かなきゃ』と思っちゃう部分がありますけど、愛ちゃんは数分前まで普通にケロッとしていたのに、カメラが回ったら泣いて、すごいなと思いました。みのりちゃんは気合いが違います。『私はこの仕事が好き』と、口にしなくても感じることがすごくありました」。

――作品の舞台になった渋谷には、よく行きますか?

「この1~2年で、休日に遊びに行くようになりました。それまではライブハウスに行ったりするだけだったのが、最近はマルキュー(109)やセンター街で『最近の女の子にはこういうのが流行っているんだ』とか探します。それについて行きたい自分もいるので」。

――あの3人みたいにルームシェアでの生活はできそうですか?

「私はたぶんできないタイプですね。部屋を片付けられないんです。瑞穂ちゃんみたいに外したコンタクトもその辺に置いておくし、ソファとかを自分の荷物で占領しちゃいそう。すごく自由で、他の子たちに合わせられません(笑)」。

――今の部屋も散らかっているんですか?

「年末に断捨離しました。1年ちょっと前に引っ越したときのまま、段ボールがずっと置いてあったりして、久しぶりに来た母に21歳にもなって怒られたんです(笑)。『こんなに汚くしていたら運を逃すよ』って。それで洋服や小物を思い切って捨てて、今はちょっと片付いてます。これがいつまで持つか、ですね(笑)」。


――スッキリして2020年を迎えて、このあとも主演舞台「あずみ~戦国編~」などが控えてます。女優としてさらに活躍するために、身に付けたいことはありますか?

「殻を破りたいです。『これでいいのかな?』と迷っちゃう部分や遠慮しちゃう部分がまだすごくあって、思い切りが足りないので、今年は全部120%でいこうと思います」。

――そのハッチャケたテンションだと、殻をどんどん破れそうに見えます。

「自分発信だったら行ける部分があっても、『ちょっと恥ずかしいな』というときに『これをやってください』と言われると『どうしよう……』となっちゃうんです。振り返って『もっといけた気がする』と思うときもあるので、悔いが残らないように、『もうちょっと抑えて』と言われるくらいまで、自分で出せるようになりたいです」。

――仕事以外でも今年、具体的に取り組みたいこともあります?

「資格を取りたいです。メンタルケア、ソーシャルマナー、秘書検定とか。礼儀や言葉遣いの基本って、意外と教わらないんですよね。お仕事で目上の方と接することも多いから、ちゃんと学びたいのと、秘書の役をやったとき、お作法とかいろいろわからなかったので」。


――メンタルケアは?

「最近、SNSでファンの方から相談を受けることが多いので、資格を持っていたら役立つかなと思って」。

――自分のメンタルをケアしたいわけではないんですね。

「というより、誰かのために。私自身も数カ月に1回くらい、すごく悩む時期はありますけど、自分で『だいたいこの辺で来るだろうな』とわかるんです。そういうときは資格があっても、周りに相談します(笑)」。


 
 


 
 

今泉佑唯(いまいずみ・ゆい)

生年月日:1998年9月30日(21歳)
出身地:神奈川県
血液型:O型
 
【CHECK IT】
欅坂46の元メンバー。2018年11月に卒業後、本格的に女優として始動。舞台「熱海殺人事件 LAST GENERATION 46」、ドラマ「ミリオンジョー」(テレビ東京ほか)、「左ききのエレン」(MBS・TBSほか)、「100文字アイデアをドラマにした!」(テレビ東京)などに出演。映画「転がるビー玉」は1月31日(金)よりホワイト シネクイントにて先行公開、2月7日(金)より全国順次ロードショー。映画「酔うと化け物になる父がつらい」が3月6日(金)より公開。舞台「あずみ~戦国編~」に主演。3月14日(土)~3月29日(日)Bunkamura シアターコクーン、4月4日(土)~4月5日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「転がるビー玉」

配給:パルコ
詳しい情報は「転がるビー玉」公式HPへ
 

 

 

©映画『転がるビー玉』製作委員会
 
 
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