PICK UP IDOL 青春高校3年C組アイドル部
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
2ndシングル「好きです」をリリース
伝えられない想いと会えない今を重ねて
――皆さんはアイドル部ということですが、もともとアイドルに興味を持ったのはどの辺からでした?
頓知気さきな「小学生の頃にAKB48が大人気で、あの辺りから好きになりました。そこからハロプロ(ハロー!プロジェクト)にいったり、坂道が出てきて応援したり……みたいな感じで、全般的に見てはいるんですけど、自分から『アイドルになろう』と思ったことは一度もなかったですね」。
――特にJuice=Juiceの金澤朋子さんが推しでしたっけ?
頓知気「今はビヨ(BEYOOOOONDS)がだいぶきてます。推しを言うのは、わりとガチ恋なので恥ずかしいんですけど(笑)、みよちゃん(平井美葉)が大好きで、最近密かにじっと見てます」。
――美葉さんのどんなところに惹かれますか?
頓知気「本当にただのガチ恋なので、好みとしか言いようがないんですけど(笑)、パフォーマンスにすごく体幹がある感じがします。1人だけ芯がすごいんですよ。ハロプロはプロ集団で、みんな体幹がある中でも、みよちゃんはバレエをやっていたそうで、強い感じが全面的に出ていて。歌や声も好きだし、顔や体つきも好みです(笑)」。
大曲李佳「私は小学校低学年くらいで、AKB48のあっちゃん(前田敦子)や大島優子さんを見てました。神7が大好きだったので、次々に卒業しちゃってからはあまり見なくなって、アイドルから離れたんです。それが青春高校のSNSで(ユニットの)Blue Springの動画を観て、自分も2期生に応募しました」。
――つまり、日比野さんたちを観て自分もやろうと。
大曲「そうです。『かわいいなぁ』と思って」。
日比野芽奈「嬉しい。私は幼稚園の頃、みんなアイドルに憧れる風潮があって、アイドルのアニメを観ながら『いいなー』と思ってました。小学生で前の事務所に入って、実際に自分でもアイドルをやっていたときは、先輩のももクロ(ももいろクローバーZ)さんやエビ中(私立恵比寿中学)さんが好きでした。そこを目指しながら中学の最初くらいまで続けて、卒業して『当分やらない』と思っていた矢先、青春高校に入ったら、すぐアイドル部が結成されたのでビックリしました」。
――日比野さんの中では、アイドル活動はひと段落していたわけですか?
日比野「そうですね。青春高校もアイドルをやろうとして入ったわけではなくて。だから忘れかけていた感覚でしたけど、やったら楽しかったし、前とは違うアイドル像を目指せそうな気がしました」。
持田優奈「私もAKB48の神7やK-POPが昔から好きで、中学から高2の春くらいまで普通にオタクをしていて、ライブにも行ってました。いろいろなグループを好きになりましたけど、自分がやりたいと思ったことは一度もなくて。青春高校に入ってから、アイドル部をやることになって『マジか?』と思いました(笑)。ダンスが苦手なんですけど、1年くらい前から、秋元(康)さんプロデュースのアイドルをいっぱい見るようにしました」。
――気に入ったグループはありました?
持田「自分が『電脳トークTV』に出させていただいて、前後が坂道シリーズの番組なので、観ているうちにハマっちゃいました。乃木坂46さんは全体的にみんな好きで、日向坂46さんでは加藤史帆さんが推しです」。
――頓知気さんはグラビア愛が強くて、80年代アイドルの写真集について番組で語ったりもしていますが、そういう本はどこで入手しているんですか?
頓知気「神保町の古書店や中野ブロードウェイで買ってます。昔の写真集は全般的に作品として楽しんでいる感じで、好きな人は南野陽子さんとか実は少人数で、買うときはその何人かを目指して行きます」。
――持田さんは番組の「ヤンキー王決定戦」の企画で、三原順子さんの「3年B組金八先生」のコスプレで「顔やめろ。ボディやんな」と言ってましたが(笑)、あのネタはどこで見つけたんですか?
持田「あれはですね、私が入った2年前にカラオケ企画があって、松田聖子さんのコスプレをしたんですよ。そのときにスタッフさんが『持田は80年代の感じが似合う』となって、三原順子さんも『見たい』と要望されました。自分で動画を観て、メイクや髪型を寄せました」。
――2ndシングル「好きです」は1stに続き、頓知気さんがセンター。心構えはしていたんですか?
頓知気「発表前は全然してませんでした。青春高校は初期からセンターを回すスタイルで、また変わるのかなと思って。自分の頭の中で『誰がセンターだったら、こういう曲がいいな』とかいろいろなパターンを想像して、また自分がセンターとは考えてなかったから、ちょっとビックリしました」。
――やるとなって、気を引き締め直した感じ?
頓知気「そうですね。この時期いろいろあるから、変えないほうが良かったのかなというのもあって、頑張ろうと思いました」。
――日比野さんは1stシングルのセンター発表のときは、番組で複雑な心境を語って涙も見せてましたが、今回はどう受け止めました?
日比野「1stからさきなちゃんにアイドル部を支えてもらったので、安心感があります。自分のセンターに対する想いは複雑なところもありながら、素直に応援しようと思いました」。
――やっぱり頓知気さんのセンターは安定感があると。
持田「踊っているときの表情の作り方やダンスの表現の仕方がすごく上手で、目を引いて、私はさきなちゃんを尊敬している部分がすごくあるので、付いていきます(笑)」。
大曲「さきなちゃんが真ん中で踊っているのを見て、自分たちも頑張ろうとなるし、引っ張ってもらっている分、支えてあげたいし。お互いに引っ張り合っている感じがします」。
――自粛明けの再会をドッキリで撮った今回のMVでも、皆さんの仲の良さは伝わりますが、バチバチするときは全然ないですか?
持田「ないですね」。
頓知気「たまに(兼行)凜ちゃんとのんちゃん(川谷花音)がケンカしているくらい(笑)。それも若くて仲良いゆえのケンカだから」。
日比野「高校生っぽいケンカ」。
持田「『なんであの子がセンターなの!?』みたいなことはないかな」。
――1期、2期、3期で多少の壁もなく?
持田「ゼロですね」。
頓知気「他のグループの番組を観ていると、よく『先輩方が』と言ってますけど、私たちは先輩・後輩の概念がなさすぎて(笑)。この中だと私が一番後輩ですけど、そんな感じはしないし、良かったと思います。他のグループに入っていたら、私も先輩に敬語とか使わないといけなかったから」。
持田「『~さん』とか呼んでいるよね」。
――ハロプロはお弁当も先輩から取っていくのが伝統のようですね。
持田・大曲「エーーーッ!?」。
頓知気「そうなんですよね」。
日比野「私たちは早い者勝ち。すぐ肉がなくなります(笑)」。
――日比野さんは学級委員長として、指導が必要だと思うメンバーはいませんか(笑)?
日比野「私は委員長として、あまり機能してないので(笑)。大事なときにスピーチをするくらいで、みんなのことは他の部活を含めて見てはいますけど、『頑張ってるな』と思うだけです(笑)」。
頓知気「先輩・後輩の話と同じで、リーダーといっても上下関係はなくて、みんな平等だから」。
日比野「私がどうこう言ったことは、今までないと思います」。
大曲「でも、芽奈はBlue Springのときからリーダーで、私が2曲目でセンターをやらせていただいたとき、すごく支えてもらいました。私にとってはお姉ちゃんみたいな感じです」。
持田「1年前に3期生が入って、より『リーダーとして頑張ろう』とか『自分が引っ張らなきゃ』と思っているのは、伝わってきます」。
――加入した頃と印象が変わったメンバーはいます?
日比野「まーがりん(大曲)ですかね。年下で妹っぽくて、『何かしてあげたい』って一心でしたけど、今はアイドル部で私のほうが頼りにしています。たとえば何かやることがあったら、グループLINEで最初に『頑張ろう』と発してくれたり、練習のことも積極的に話してくれて。青春高校で成長したと、めちゃめちゃ思います」。
――「電脳トークTV」では大曲さんのことを「どんどんかわいくなって、今が一番好きな顔をしてる」とも言ってました。
日比野「入ってきた当時からかわいかったんですけど、どんどん磨きがかかって、オーラを感じて『何があったんだろう?』って気になるくらい(笑)」。
――何かあったんですか(笑)?
大曲「わからないです(笑)」。
持田「めちゃめちゃ大人っぽくなりました。今回のカップリング曲でWセンターですけど、Blue Springの2曲目でセンターだったときは不安で泣いちゃったりもしていたんです。今回は前向きで『任せて!』みたいな感じで、みんなを引っ張っているから、すごく強くなったと思います」。
大曲「自分で大きく変わったと思うのは、アルタ公演のときです。他の部活のダンスも覚えたりしながら何週間、何カ月と続けて、慣れてきました。少しだけ余裕が出て、周りを見られるようになった感じです」。
告白するより言えないときが
楽しいから言わないと思います
――「好きです」はMVの感動の再会の印象が強いですが、歌自体は学校での恋の話ですよね。歌詞にある、一緒に帰ろうとして渡り廊下までゆっくり歩いた経験とか、あります?
日比野「まったくないです」。
持田「悲しいくらい、ない(笑)」。
頓知気「みんな全然恋愛してない(笑)?」。
持田「夏休み前の初恋の曲ですけど、私の気持ち的には、自粛で会えない今の状況と重なる印象のほうが強いです」。
――学校で好きな人と昇降口でばったり会ったのを、思い出したりもしませんでした?
頓知気「私はガチで陰キャだったので、本当にそういうのはなかったです。放課後は美術部に行って、美術部で帰る。寄り道という概念がなくて、家に直帰スタイルで、帰ったらいつも、お腹がすいて食パンを食べてました(笑)」。
――曲の中の「好きです」という台詞は、どんなイメージで言ったんですか?
頓知気「仮歌の田中さんという人の声をイメージしました。それが100点満点の『好きです』で、脳内リピートしながら、実際に田中さんに『こういう感じで』と教わってレコーディングしました」。
――どんな感じで言うように教わりました?
頓知気「こみ上げる感じ? 緊張で落ちるのではなく、最後の『す』をちゃんと言う。イメージは何も浮かびませんでした(笑)」。
――日比野さんも2番の「好きです」を担当しています。
日比野「私が田中さんに教えてもらったのは、2番は独り言の『好きです』だから、1番のさきなちゃんとは言い方が違っていて、言いたいけど言えない。届いてそうで届いてない。そんな声で、すれ違いざまに『好きです』と言う感じでした。イメージと言ったら、あの話しかできないんですよね……」。
頓知気「芽奈ちゃんが好きなのは、人生であの人しかいない(笑)」。
日比野「そう。私の初恋の人。千鳥のノブさんが好きで、ちょっと思い浮かべたところはあるかもしれません……。この話は何回しても恥ずかしい(笑)」。
――ラスサビの「好きです」は持田さん。
持田「私は特に言われたことはなくて、聞いても『思った通りにやって』ということでした。ラスサビで盛り上がったあとだから明るめに、レコーディングのときも笑いながら『好きです』と言ったりしました」。
――それほどたくさんテイクを録ったわけではなく?
持田「3回くらいでした」。
頓知気「すごい! 私たちは2ケタは録ったよね?」。
日比野「苦戦して10回は録りました」。
頓知気「スタジオで歌わずに、『好きです』だけ、ずっと言ってました」。
――この歌みたいに「好きです」と告白するか、クラスメイトのまま終わるか……という状況だったら、どうします?
日比野「アイドル的な発言ですけど、私はその感覚に陥ったことがないんですよね。勇気の問題ではなく、友だちの先がわからなくて」。
頓知気「芽奈ちゃんはこれがガチなんです。信じてください(笑)」。
日比野「怖いくらい経験がないんですけど、たぶん『好きです』とは言いません」。
大曲「私は何も行動しないと思います。『好きです』と言って『ごめんなさい』となったら、お互い気をつかっちゃうから。それより、『今、通りすぎた』とか『目が合った』みたいなことで自己満足して、終わっちゃうかもしれません」。
持田「かわいい(笑)。私もそういうのは言えません。でも、『言いたいけど言えない』というときが一番楽しいと思うんですよね。だから、たぶんそのまま楽しみます」。
――あと、さっきも出ましたが、カップリングの「制服自転車」では大曲さんが兼行凜さんとの最年少コンビでWセンター。レコーディングはいつも以上に気合いが入りました?
大曲「はい。兼行と一緒に目を合わせながら歌っていたから余計に楽しくて、アドレナリンがファーッとなりました」。
日比野「見つめ合って歌うって、めっちゃかわいい!」。
――実際に制服で自転車に乗ることは?
大曲「私、高校1年のときに自転車通学で、爆走してました(笑)。坂道とかも“ボーン!”みたいにカマしていて」。
――遅刻しそうになっていたから?
大曲「本当にギリッギリに学校に行くんです。あと何分か見ながら、信号も変わる前に“早く!”ってバーンと行ってました(笑)」。
――実は自転車に乗れないメンバーもいます?
日比野「私とさきなちゃんは乗れなくて、『青春のスピード』のMV撮影で手こずりました。前に進まなくて」。
頓知気「ハンドルが勝手に動くんです(笑)」。
日比野「わかる。ウイン、ウインって行っちゃうんだよね」。
頓知気「それは力みすぎなんだって。手は添えているだけでいいそうです」。
持田「そんなの、みんな知ってるから(笑)」。
日比野「その後、『(週刊)プレイボーイ』の撮影のときも自転車が置いてあって、『乗って撮ろう』となったんですけど、私だけ乗れなくて押してました(笑)」。
頓知気「私は『青春のスピード』のときに練習して、乗れるようになりました。もう20歳だし」。
持田「遅いよ(笑)! 私は自転車は得意で、めっちゃバランスいいです」。
日比野「『青春のスピード』のMVで抜かれていたのは、うまいメンバーだったよね。まーがりんも『イエーイ!』みたいにやってた」。
頓知気「私は立ちこぎが無理で、絶対に安全運転(笑)」。
日比野「みんなにどんどん追い抜かれてました(笑)」。
――では最後に、青春高校の皆さんにとって、夏の青春というとどんなイメージですか?
持田「去年、何度か夏フェスに出させていただいて、人がいっぱい集まった野外で歌って踊ったのがすごく楽しかったです。屋内に入って来てもらうより、外でパッと見て『何かやってるな』みたいな場所でライブをやりたいです」。
日比野「暑さが良かったよね。あのときはウーッとなったけど、今考えたら、めちゃめちゃ良い空気感でした」。
頓知気「去年のTIFでは『ここにビヨが立っていたんだ』と思って、胸アツになりました(笑)」。
日比野「同じ地を踏んでいるんだと(笑)」。
頓知気「そう。めっちゃ嬉しかった。対バンっていいですよね」。
――仕事以外での夏の青春もありますか?
頓知気「ないな~(笑)。私はもともと、夏は外に出ないタイプなんです。夏休みは毎年、2回くらいしか遊びに行きませんでした」。
持田「うそ!」。
日比野「私もそう」。
頓知気「クーラーに当たって、1日中寝ていて、たまにお母さんに外に引きずり出されたくらいです(笑)」。
――青春してなかったんですね(笑)。
頓知気「青春自体を知りませんでした。青春高校に入ってなかったら、青春はしていません」。
――大曲さんは17歳の夏ですね。
大曲「個人的には、浴衣を着て、お祭りに行って、ぶどう飴を食べたいです。浴衣を着たことがないので、着てみたい!」。
青春高校3年C組(せいしゅんこうこう3ねんCくみ)
2018年4月より放送開始したドキュメントバラエティ「青春高校3年C組」(テレビ東京ほか)で、マンガやドラマにしかない理想のクラスを目指す生徒たちが、アイドル部、男子アイドル部、ダンス&ボーカル部、軽音部の4つの部活に分かれて音楽活動を展開。2020年1月にシングル「君のことをまだ何にも知らない」でメジャーデビュー。表題曲をアイドル部が担当した。秋元康がプロデュース。
【CHECK IT】
2ndシングル「好きです」が発売中。「青春高校3年C組」(テレビ東京ほか/月曜24:12~)に出演中。「電脳トークTV3~相内さん、ずっと青春続けましょ~」(テレビ東京ほか/日曜24:30~)に日比野芽奈、持田優奈、大曲李佳が出演中。
詳しくは青春高校3年C組 公式サイトへ
日比野芽奈(ひびの・めいな)
生年月日:2001年6月 27日(19歳)
出身地:神奈川県
血液型:B型
持田優奈(もちだ・ゆうな)
生年月日:2001年3月16日(19歳)
出身地:神奈川県
血液型:O型
大曲李佳(おおまがり・ももか)
生年月日:2002年12月17日(17歳)
出身地:大阪府
血液型:O型
頓知気さきな(とんちき・さきな)
生年月日:2000年3月6日(20歳)
出身地:大阪府
血液型:B型
「好きです」
新曲「好きです」MVはこちら!