PICK UP ACTRESS 浅見姫香
PHOTO=城方雅孝 INTERVIEW=斉藤貴志
衣装協力=REDYAZEL
19歳にして芸歴は10年
月9ドラマで看護師役
――19歳の姫香さんですが、芸歴は長いですよね。
「今年で10年になります」。
――小さい頃の写真や動画がネットに残ってたりしますが、自分で見ることはありますか?
「両親が結構見ていて『昔はかわいかった』とか言うので『今はどうなの?』とツッコむんですけど(笑)、自分ではあまり見ないですね。顔はあまり変わってないと思います」。
――人生的に他の進路を考えたことはありませんでした?
「悩んだ時期はあります。同年代のみんながいろいろな作品に出ていると『私は向いてないのかな?』と思って。でも、そういうことを気にするより、自分はお芝居をしているときが楽しいから、その気持ちを持って続けていこうと、中学の終わり頃に決めました」。
――演技への取り組み方に関して変わってきたことや、逆にずっと続けていることはありますか?
「レッスンを中学まで受けていて、言われたことをメモしていたノートはまだ家にあります。現場でいろいろな役者さんとお会いしたり、勉強のために映画を観たりして良い言葉を見つけると、今もそのノートに書き足しています」。
――自分の支えになっている言葉もありますか?
「役者さんではないですけど、イチローさんが辞められたじゃないですか。(引退会見で)『小さな積み重ねでしか自分を超えることはできない』とおっしゃっていて、『地道にやっていくしかないんだ』と改めて感じてメモしました」。
――映画は自分で観るのはどんな系統ですか?
「ジャンルはバラバラで、『ザ・マジックアワー』とかの三谷幸喜さんのコメディも好きですし、洋画のギャング系とか日本にないものも面白いですね。最近だと『ボヘミアン・ラプソディ』を映画館で観ました。前からクイーンの曲が好きで、再現度がすごかったです。映画と本人の映像を比べている動画がネットにあって、それを観ても『こういう実写は面白いな』と思いました」。
――もともとクイーンが好きだったのは、お父さんの影響か何かで?
「ではなくて、携帯で適当に洋楽を聴いていたら、まさに『ボヘミアン・ラプソディ』が出てきて、『何かカッコイイな』と思ったんです」。
――たまたま古い曲を耳にしたんですね。
「でも、日本の昔の歌も好きです。ザ・ピーナッツさんの『恋のバカンス』や『ふりむかないで』、アン・ルイスさんの『グッド・バイ・マイ・ラブ』、テレサ・テンさんの『時の流れに身をまかせ』……。演歌も聴きます。島津亜矢さんの『帰らんちゃよか』とか」。
――姫香さん、19歳でしたよね(笑)? 最近の曲にない良さを感じるんですか?
「メロディも歌詞も耳に残る感じがします。歌詞は重みがあって、何かを連想できるのがいいですね」。
――現在はドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」に看護師の南里美役で出演中。こうした職業を持った役も増えていきそうですね。
「そうですね。今回は25歳の役なんです。看護師さんで25歳といったら新人ではなくて、後輩に1対1で教える立場なんですって。だから大人っぽくというか、キャピキャピしないで手慣れた雰囲気を出すように意識しています」。
――医療行為に関わるシーンも出てくるんですか?
「あります。本物の看護師の方に指導していただいて、患者さんをストレッチャーで運んで『1、2、3』ってベッドに移したり、酸素を繋いだりします。その場その場で看護師の方が流れでお手本を見せてくださって、それを見て真似する感じです」。
――そういうのを手際良く見せないといけないわけですね。難しいこともありました?
「ストレッチャーに足で動かすストッパーみたいな棒があって、それが結構固いんです。ガンと上げてロックを外そうとしても外れなかったり、逆に上げ過ぎるとまたロックがかかってしまうので、真ん中のところで止めるために何回も練習しました」。
――里美は医師の辻村先生(鈴木伸之)に気があるんですかね? 甘春先生(本田翼)との会話を部屋の外で聞いていて「狙うだけ無駄だと思いますよ」と忠告していましたが……。
「どうなんでしょうね? 台本にはそこまで書いてませんでしたけど、狙っているんですかね(笑)? 裏設定として病院内の噂を全部聞いていて、監督さんと『「家政婦は見た!」の市原悦子さんみたいな感じで行こう』という話はしました。里美が辻村先生に気があるのか、興味本位かはわかりませんけど、小悪魔的なところはあるかなと思います」。
――そういう雰囲気は出てました。白衣は初めてですか?
「はい。真っ白だから『ごはんをこぼさないようにしなきゃ』とすごく気にして(笑)、食事のときは手ぬぐいを掛けてます。あとは小道具で聴診器やPHSを身に付けると、看護師っぽくなってうれしいです」。
20歳になる前から30代向けの
ファッションが好きになって(笑)
――姫香さんはこの仕事について悩んでいたときとか、他の職業を目指すことも考えはしたんですか?
「中学の頃に親に芸能界を反対されたときは、保育士に興味がありました。でも、こっちの仕事を選びました」。
――この仕事を反対されていたときもあったんですね。
「入ったときから、ずーっと反対されてます(笑)。浮き沈みが激しい世界だから、『安定した仕事に就いて、お母さんになってほしい』と。母に泣きながら『保育士になってほしい』と言われたこともありますけど、『私はこれが好きだから続けたい』と言いました」。
――姫香さんも泣きながら?
「いや、私は泣いてないです(笑)。でも、熱意は受け取ってくれたみたいです」。
――仕事以外で興味を持っていることはありませんか?
「最近、生け花を始めたんですよ。和のものに触れたくて教室に通って、まだそんなに行ってませんけど、奥が深いと感じます。花器を舞台として、主役のお花を1本決めて、それを引き立たせるように葉っぱとかをどうするか。そこをいろいろ考えるのが、演技と似ていると思います」。
――なるほど。集中力も身に付くのでは?
「先生にお花との“会話”を大切にするように言われて、気づいたら30分くらいやっているので、集中力は養えている気がします。お花の向きとか見せ方は難しくて、悩むんですよね。慣れてる方はすぐできるので、センスを磨いていきたいです」。
――もともと和なものに興味があったんですか?
「そうですね。和は落ち着くというか、モフモフのタオルとかより、手ぬぐいしか持ってないし、そういう日本の文化は好きです。それに生け花は90歳とかでやってらっしゃる方がいて、年を取っても続けられるのもいいなと思いました」。
――年といえば9月で20歳になりますが、10代が名残り惜しい感じはしますか?
「それは全然ないです。早く26歳くらいになって結婚できていたらいいなと、勝手に妄想しています(笑)」。
――まあ、精神的にはもう大人なんでしょうね。
「そう見えていたらいいんですけど、まだコーヒーは飲めません(笑)。でも最近、ファッション誌でいいなと思うのは『BAILA』とか、だいたい30代向けなんですよ(笑)」。
――まだ10代なのに、20代向けを飛び越えて(笑)。
「それは行き過ぎかなと思いますけど、きれいめカジュアルとか好きなんです。でも、逆方向のストリートファッションというか、大きめのTシャツにスキニーでクラッシュが入っているのとかもいいと思うし、いろいろなものを着たすぎます(笑)」。
――食の好みは変わってきてますか?
「昔はグミばっかり食べてましたけど(笑)、ちゃんと健康志向にしなきゃと思って、最近は玄米を食べたりしてます」。
――どんな20代を過ごしていきたいですか?
「『あっという間だったな』と思えるくらい、濃厚でスピーディな感じにしたいです。ゆったりというより、いろいろなことに挑戦したり、いろいろな場所に行きたいです。仕事もプライベートも充実させられたら」。
――行きたい場所もありますか?
「海外にあまり行ったことがないんですけど、友だちと『スペインに行こう』と約束してます。その友だちがスペイン語を話せて、本場のパエリアを食べたいというのもあります(笑)。あと、私は大学の第二外国語でフランス語を取っていてフランスにも興味あるし、アフリカにも行ってみたいです。野生動物と出会ったり、現地の人の生活や文化を見たら、いろいろな視点を持てるんじゃないかと思います」。
――あれこれやって、30歳になる頃にはどんな女性になってますか?
「家庭を持っていられたらいいかな。もちろんお仕事も大切ですけど、結婚はタイミングだと聞くので。その前に、結婚相手を見つけないといけないんですけど(笑)」。
浅見姫香(あさみ・ひめか)
生年月日:1999年9月26日(19歳)
出身地:東京都
血液型:B型
【CHECK IT】
2010年にドラマ「曲げられない女」(日本テレビ系)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「掟上今日子の備忘録」(日本テレビ系)、「セカンド・ラブ」(テレビ朝日系)、「覚悟はいいかそこの女子。」(TBS系)、「リップヴァンウィンクルの花嫁」(BSスカパー!)、映画「きいろいゾウ」、「めめめのくらげ」、「なぎさ」、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」など。ドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」(フジテレビ系/月曜21:00~)に出演中。ダイハツ「トール」CMが放送中。
詳しい情報は公式HPへ
公式インスタグラムへ