PICK UP ACTRESS 華村あすか
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「ランチタイムはじめちゃった。」でコメディ初挑戦
天真爛漫な役で猫のマネやロボットの動きも
――夏の取材では「富士山に登りたい」との話でしたが、登ったんですか?
「登りました。2番目にきついルートでロッククライミングをして、ご来光を頂上で見るために夜中に山小屋に泊まらず、一気にダーッと行きました」。
――テレビの企画で芸能人が富士登山に挑戦して、普通のコースでもリタイアするのを見ますけど……。
「私は全然苦ではなかったです。みんなはダウンとか着てましたけど、ロンT1枚で登りました(笑)。今もジムに通ってますし、学生時代にバスケットをしていたので、体がある程度できていたんだと思います」。
――ご来光を見て、どんな気持ちになりました?
「感動しました。雲より上のてっぺんに行かないと見られない光景で、自分の悩みごとが小さく感じました」。
――このたび、10本のシチュエーションコメディが収められたDVD「ランチタイムはじめちゃった。」が発売されます。コメディは好きだったんですか?
「好きです。ただ、自分がやるのは初めてで、どこまでやったらいいのか、すごく難しかったです。ずっとワチャワチャしていて、『オーバーにやっていい』とのことでしたけど、やりすぎるとわざとらしくなるので、本当に微妙でした。一応台本に沿いながら、アドリブがポンポン出たところもあります」。
――喫茶店を舞台に、あすかさん演じる加藤莉子ら3人のアルバイトがドタバタを繰り広げていますが、「クビ」という話では、莉子が猫のようになってました。
「ブリッコではなくて猫が憑依した感じで、ニャンニャン言いながら、大好物のグミを出されると甘えて食いつこうとしたりしました。やりやすくはなかったですけど、何テイクか撮っていたら吹っ切れました」。
――「RH2」ではロボットの動きを見せてます。
「ロボット歩きをするとゆっくりめになってしまうところを、尺的に早歩きしないといけなくて、たくさん練習しました。最初は手と脚が同時に動いちゃって、ヘンテコだったんですよ(笑)。いかにロボット感を出そうかと、首を手や脚と違う方向に向けたりしました」。
――他にはどの辺のシーンが難関でした?
「シーンというより、莉子のキャラクター作りに苦戦しました。喜怒哀楽をストレートに出す女の子で、見方によってはデリカシーがない子になってしまうので」。
――「遅刻や無断欠勤やつまみ食いで下げられた時給を戻してほしい」とか言ってました。
「そういうことを言うけど悪い子ではなくて、そこもかわいく見えるように意識しました。3人それぞれキャラクターがある中で、莉子は一番のボケ。撮影を重ねるうちに、ボケらしいかわいさが明確になりました」。
――ちょっとした仕草や表情にも面白さがありました。
「莉子の表情の豊かさはすんなりできて、仕草もオーバーにやりました。監督が関西の方で、事前にコメディの演出を付けてもらって、そこから自分のキャラクターを出していく感じ。バイト役の他の2人も年齢が近くて息が合って、アドリブが噛み合わないことはあまりなく、やりやすかったです」。
――「監視カメラ」という話では、立ったまま白目をむいて寝てました(笑)。
「普段、友だちと遊びで白目をやってみても、私は白目にならなかったんです。だから正直、白目になっていたのか不安ですけど、OKはもらえました」。
――あと、尻文字をやる回もありました。
「あれはその場でパッと浮かんだ文字を書いているつもりでしたけど、観る方に伝わるかはわかりません(笑)。現場でモニターをチェックしたら、なかなかインパクトのある画になってました」。
ヘン顔やオーバーな動きも楽しくて
今までにないくらい振り切れました
――全体的に初のコメディの中で、振り切ることはすんなりできた感じですか?
「たぶん今までにないくらい振り切れました。ヘン顔したり、動きもプライベートではないほどオーバーにやって、レアな表情が出たと思います」。
――逆に言えば、普段はそれほどテンションが高くないわけですか?
「高くないです。そこは現場の雰囲気のおかげだったかもしれません。莉子のキャラクターも台本を読んで浮かんでいたので、恥ずかしさは何もありませんでした。やる前は『どうかな?』と思ってましたけど、やってみたら楽しかったです」。
――ちなみに、あすかさんは喫茶店に限らず、バイトはしたことありますか?
「地元の焼肉屋さんやスーパーでしてました。レジ締めの計算や打ち込みで時間がかかって、完全に出ないといけない時間を過ぎちゃったことが何回かあります」。
――年末年始は山形に帰省するんですか?
「できたらいいなと思ってます。お母さんが毎年、手料理をふるまってくれるのが楽しみです。特にお雑煮のつゆが好きで、お母さんの味に慣れてしまって、他は食べられません。大晦日はお父さんはテレビも観ずに早く寝てしまうので、お母さんと妹とこたつで1年を振り返って、ユルッと話します(笑)」。
――初詣にも行くんですか?
「元旦には行きません。寒い中で並ばないといけないので。年が明けて落ち着いてきたら行きます。去年はおみくじを引いたら凶でした(笑)」。
――当たっていた1年だったんですか(笑)?
「そんなことはなくて、自分がやってみたかったお芝居に挑戦できた年でした。以前は等身大というか、クセのない役が多かったのが、いじめっ子とか情緒不安定な子とか、いろいろできました。今回の『ランチタイムはじめちゃった。』ではコメディもやれましたし」。
――来年に向けて、課題にしていることはありますか?
「台本の表面だけでなく、台詞の深いニュアンスを読み込んで、『この世界観だから、こういう表現』という演じ方ができる力を身に付けたいです。そのためには知識が必要で、本を読んだり、いろいろな人のお芝居を観たりして、台詞をその場でマネて言う練習をしています」。
――家でDVDや配信を観ながら?
「そうですね。『この月はコレとコレ』って作品を決めて、ひたすら何回も観て掘り下げたり。私は恋愛モノを観なかったんですけど、いつかそういう役が来るかもしれないし、自分でもやってみたいので、最近では蒼井優さんと阿部サダヲさんが出演された『彼女がその名を知らない鳥たち』を観ました。大人のドロドロした恋愛の話で、ブツブツ台詞をマネしながら、気になったところで一度止めて……ということをしてます」。
――夏の取材では「本格的に体を絞りたい」という話も出ていて、「必要あるのかな?」と思いましたけど、その成果は出たようですね。
「あの後、水着グラビアの撮影が何回かあって、マネージャーさんにも『絞れたね』と言われました。運動よりもたんぱく質と糖質をひたすら抜いて、鶏肉と豆腐とフルーツを食べて、食事前にキュウリを1本食べると痩せるとも聞いたので、試してみたら効果が出ました」。
――すべてにおいて、ストイックですね。
「『何としても痩せなきゃ!』という気持ちだったので、つらいと思うことはなかったです」。
華村あすか(はなむら・あすか)
生年月日:1999年3月18日(20歳)
出身地:山形県
血液型:A型
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2017年に「週刊プレイボーイ」(集英社)の表紙・巻頭グラビアでデビュー。「ヤングジャンプ」(集英社)、「スピリッツ」(小学館)などでも表紙を飾る。2018年にドラマ「宮本から君へ」(テレビ東京系)、「ボイメン新世紀 祭戦士ワッショイダー」(CBCほか)で共にヒロインを務めて女優デビュー。他の主な出演作は、ドラマ「スカム」(MBS・TBS)、「よろとく満タン!~IDEX編~」(RKB毎日放送)、映画「初恋スケッチ~まいっちんぐマチコ先生~」、amazarashi「未来になれなかったあの夜に」MVなど。DVD「ランチタイムはじめちゃった。」は春に発売(先行予約終了)。
詳しい情報は公式HPへ
「ランチタイムはじめちゃった。」
詳しい情報は「ランチタイムはじめちゃった。」公式HPへ
©『ランチタイムはじめちゃった。』製作委員会
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