FRESH ACTRESS 井上音生
PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志
「東宝シンデレラ」で審査員特別賞
「嘘を愛する女」で女優デビュー
――音生(ねお)さんって、カッコイイ名前ですね。
「お父さんが音楽の先生なので、“音に生きる”と書いて“ねお”になりました」。
――実際、音生さんも音楽好きに?
「はい。K-POPとか、ONE OK ROCKのようなロック系とか、普通にJ-POPのアイドル系のAKBとか、ジャンルは幅広く聴いてます」。
――カラオケにも行きます?
「行きます。歌うのは『残酷な天使のテーゼ』とかアニソンですね。アニメも好きなんです」。
――どういうアニメが?
「『銀魂』とか、(少年)ジャンプのマンガが原作のアニメです」。
――恋愛系の少女マンガではないんだ。
「少女マンガは読むんですけど、恋愛アニメみたいなのはあまり観ないですね」。
――愛媛にお住まいということで。
「街の中心の方に住んでいて、商店街とかはあります。でも、山の方に行くと海が見えたり、みかん畑ばかりで田舎です(笑)」。
――今の時期の愛媛は、やっぱりみかんがおいしいですか?
「はい。おばあちゃんの家から、段ボールに詰められたみかんが送られてくるんです。たんまり1年分くらいのみかんが入っているので、毎日食べてます(笑)」。
――小さい頃はどんなところで遊んでいたんですか?
「近くに公園とかがあまりなかったので、ゲームをやったり、アニメの『プリキュア』を観たり、家で遊んでました。今もゲームで遊んでます」。
――最近だと、流行りの「ポケ森(どうぶつの森ポケットキャンプ)」とか?
「そうですね。スマホゲームもやってますし、『スプラトゥーン2』とか任天堂スイッチでも遊んでます」。
――バレエも習っているんですよね。
「習ってます。お母さんに勧められて4歳くらいから始めて、今もやってます。発表会にも出てます」。
――他に、今までハマったことはあります?
「やっぱりアニメが好きなので、アニメグッズを集めたりしてます。『銀魂』や『ラブライブ!』のポスターや缶バッジなんかです。『ラブライブ!』では矢澤にこちゃんが好きです」。
――中学で部活はやってるんですか?
「バスケットボール部に入ってます。中学に入る前はコーラス部でずっと歌ってたんですけど、中学では運動をやりたいなと思って。『黒子のバスケ』も好きでした(笑)」。
――1年生だと、まだ試合に出たりはしてないですか?
「1年生だけの試合や新人戦では出ますけど、まだレギュラーとかではないです。運動はまあまあできるほうだと思います」。
――芸能界には小さい頃から入りたいと?
「女優さんに興味がありました。昔から石原さとみさんが好きだったんです。『5→9~私に恋したお坊さん~』で『かわいいな』と思って、それから石原さんの出てるラブコメディの『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』とか、ずっと観てました。『私もこんなドラマに出たいな』と思ってましたけど、オーディションとかを受ける機会はありませんでした」。
――一昨年の「東宝シンデレラ」オーディションはどんな流れで受けることに?
「お母さんが映画館で募集のチラシを見つけたんです。私がそういうのに興味あることは知っていたので教えてくれて、私も受けたいと思って、お父さんにお願いして応募させてもらいました」。
――オーディションではどんなことを覚えてますか?
「合宿審査が一番印象に残ってます。人がたくさんいて、学校みたいで楽しかったんですけど、監督さんや審査員の方が並んでいる前で初めて演技の発表会みたいなことをして、すごく緊張しました」。
――演技は学芸会とかではやったことはあったんですか?
「市民ミュージカルには出ました。『ナルニア国物語』の劇で、主役とかじゃなくて、いっぱい動物がいる中のリスの役でした」。
――審査員特別賞と集英社賞(りぼん賞)に選ばれましたが、自信はありました?
「そこまではなかったですね。ファイナルまでは残ったけど『どうかな?』みたいな感じでした」。
――入賞して、学校は大騒ぎになったのでは?
「全然そんなことはなかったです。オーディションが終わって学校に行ったときは、私が賞を取ったことはみんな知らなくて……。愛媛新聞に出て、みんなに広まって、『おめでとう』と言ってもらいました。他のクラスの子が見に来たりもしました」。
小学生のときに中学生の役だったから
アドリブで「算数」と言っちゃって(笑)
――先日公開された映画「嘘を愛する女」で女優デビューとなりました。初めての撮影現場で驚いたことはありました?
「あまりなかったです。テレビでも撮影現場に人がいっぱいいるのは見ていたので、だいたい想像していて『やっぱりすごく人がいるな』という感じでした。緊張はしましたけど」。
――音生さんはお母さんと暮らしている役で、喧嘩別れ的に離婚したお父さんと久しぶりに会うシーンがありました。
「私のお父さんはやさしくて、役のお父さんとは正反対なので、私も全然冷たくはしないんですけど、役ではちょっと冷たい感じにするのが難しいなと思いました」。
――演じる上で考えたことはありました?
「今まで家族に何があったか想像したり、役の性格を自分で考えて書き出してみたりしました」。
――うまくいかなかったことはありませんでした?
「お母さんと洗濯物を干しながら話すシーンは全部アドリブだったんですね。でも演技をすることが初めてで、全然言葉が浮かばなくて……。『学校のことを話せばいいかな』と思ったんですけど、そのときはまだ小学生で、役は中学生だったのに『算数が』と言っちゃう失敗がありました(笑)」。
――実際にお母さんのお手伝いはしてます?
「たまにするくらいです。言われたらするタイプです(笑)」。
――あまりご両親に怒られることはなく?
「部屋を片付けてなかったり、早く寝なかったり、スマホをずっといじっていたりすると怒られるときもあります」。
――学校ではどんなキャラなんですか?
「友だちには『天然』と言われます(笑)」。
――何かやらかして?
「テストの点数がみんなより悪かったり、体操服を裏返しとか反対に着ちゃったり、忘れ物をいっぱいします(笑)」。
――どんな忘れ物をしたんですか?
「運動会の日に体操服を忘れました(笑)。学校に行って、昼から運動会だったんですけど、体操服の袋の中身を見たら、夏なのに冬の体操服しか入ってなくて……。みんなは夏の服でやるから、お母さんに持ってきてもらいました(笑)」。
――中学校に入って、楽しかったことはありました?
「3年生の卒業記念の音楽会でクラスで合唱をするので、優勝したいです! 私はソプラノのリーダーになったんですけど、音楽が好きなので、みんなで歌うのは楽しいです」。
――「りぼん」のりぼんガールとしても活動中ですが、自分が載ってる本を見るのは、どんな気分ですか?
「賞をもらう前から『りぼん』を読んでいたので、『本当に自分が載ってる~』みたいな不思議な感じです。『“りぼん”の読者さんもこのページを見てくれてるのかな?』って思いました。私の学校でも読んでる人がいっぱいいて『出てたよね?』と言ってくれたり、私の出る月だけ買ってくれる人もいます」。
――今日の撮影でも、もうカメラ慣れしている感じがしました。
「撮ってもらうのは楽しいですけど、最初はポージングにちょっと困りました。体を横に傾けるとか大胆な動きができなくて、小さいポーズになっちゃったりしてました」。
――表情が固まっちゃったりも?
「それはカメラマンさんが笑わせてくれたりして、自然な笑顔ができました」。
――東京にもよく来るようになりました?
「月に1回くらいですね」。
――原宿とかに遊びに行ったりも?
「それはしてないです。あまり時間がなくて。でも、『東宝シンデレラ』の合宿審査のあと、東京観光をしました」。
――やっぱり愛媛とはだいぶ違いますか?
「はい。ビルが高いし、お店で売ってるものも多くて。原宿みたいなところは愛媛にはないので、『すごいな。かわいいな』と思いました」。
――何か買ったりもしたんですか?
「服とか雑貨を買って帰りました。あと、秋葉原のアニメイトにも行ったんですけど、愛媛のアニメイトとは大きさが全然違って、グッズをいっぱい買ってきました。『ラブライブ!』の聖地の神田明神にも行きました」。
――今年は仕事で東京に出てくることも増えそうですね。
「まだ映画1本と『りぼん』の撮影だけなので、これからはいろいろなドラマや映画に出たいです。シリアスなのもコメディもやってみたいです」。
――コメディもやりたいと。
「はい。観ていて楽しいので、自分でもやってみたいなと思ってます」。
――天然キャラが活かせるかも?
「そうかもしれないです(笑)」。
井上音生(いのうえ・ねお)
生年月日:2004年8月18日(13歳)
出身地:愛媛県
血液型:O型
【CHECK IT】
2016年11月に第8回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞と集英社賞(りぼん賞)を受賞。「りぼん」(集英社)のりぼんガール。1月20日(土)公開の映画「嘘を愛する女」で女優デビュー。
詳しい情報は公式HP
「嘘を愛する女」
詳しい情報は公式HP