PICK UP ACTRESS 上白石萌歌

PICK UP ACTRESS 上白石萌歌

PHOTO=草刈雅之 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「3D彼女 リアルガール」に出演
オタク役で恋愛模様にも深く関わって

 
 

――「3D彼女 リアルガール」の綾戸純恵はオタクでメガネっ子で、演じたことがなかったタイプの役だったのでは?

「そうですね。そもそもコメディが初めてだし、原作を読んだときに『この子は何!?』という強烈なインパクトを受けました(笑)。すごく愛くるしくて、一生懸命で、派手とはほど遠いのにかわいくて。毎回の作品で『挑戦』と言ってますけど、この役をやったら自分の殻を破れる、自分の新たな要素を残せると思いました」。

――オタク役は新鮮でした?

「見た目からすごかったです。役のためにおかっぱの重い髪型にして、メガネをかけました。一番衝撃的だったのはスカートの下にジャージを穿いていること(笑)。学校の中に農園を作っているのも面白かったです」。

――肥料か何かの袋をたくさん抱えて現れました。

「あれはリアルに重くて落としちゃいそうでしたけど、楽しかったです」。

――そしてアニメの話を始めたら、ものすごいスピードでしゃべり出して。

「私は普段ゆっくり話すので、すごく遠い振り幅でしたけど、だからこそ私が演じる意味があるというか、自分の新しい一面を見られた感じでした。初めてつっつん(筒井光=佐野勇斗)と出会うシーンでは、勇斗くんとお互い『噛んでも大丈夫! ドンと来い!』と謎に絆が生まれました(笑)。オタク役の私と勇斗くんとゆうたろうくんは滑舌強化期間みたいになって、すごく口調が滑らかになりました」。


――家でもだいぶ練習したんでしょうね。

「しましたけど、現場であの格好をして綾戸さんになると、自然と早口になってスムーズに話せました。つっつんがアニメのことをすごい熱意を持って話してくれたので、私もそれに乗っかることができました」。

――役に入ってしまえば……というのは、さすが女優さんですね。萌歌さん自身は、オタク的なところはない感じですか?

「最近すごく芽生えてきました。綾戸さんの役をやってからなのかはわかりませんけど、ひとつのものに熱中することが多くなってきて……。ギターを始めて、まだちゃんと弾けない状態ですけど、毎日触ったり、夜中に弾き始めたら止まらなくなったりします」。


――アコースティックギターですか?

「そうです。比較的コードが簡単でテンポがゆっくりなものから選んで、スピッツさんとかのアコギが似合いそうな楽曲を弾いています。もともと音楽は大好きなので、弾いていると夢中になってしまいます」。

――あと、綾戸さんはキョドっている感じもします。

「私はキョドる経験もないくらい能天気で(笑)、いつもマイペースなので、オドオドする感じも自分の中にあまりなくて、そこも新しかったです。自分とかけ離れた役だからこそ、振り切るときはちゃんと振り切りたい想いがあるので、恥ずかしさは全部捨ててやりました。みんなも全力で振り切っていたので、『私も負けないように』というテンションで全力を出せました。それにまた応えてくれる環境だったので、みんなで作った感じです」。

――頭で考えるより、自然に綾戸さんになっていたんですね。

「はい。でも、私はアニメやマンガに詳しいほうではないので、綾戸さん役をやるためにアニメを観たり、アニソンを聴いたり、マンガを読んだりはしました」。


 
 

恋をするお芝居はエネルギーを
すごく使うものだと感じました

 
 

――一方で、綾戸さんはつっつんに恋心を抱いてました。

「ちょっとした恋模様的なものは、今までの役でもありましたけど、あそこまでドップリなのは初めてでしたね。恋をするお芝居ってすごくエネルギーを使うな……と思いました。そもそも恋愛はエネルギーを使いますけど、お芝居で疑似体験することにありったけのエネルギーを注ぎ込んだ感じで、そこはリアルにできたと思います」。

――ドアの前に座って泣いているシーンでは、かなり涙が流れていました。

「つっつんへの真っすぐな気持ちとか、綾戸さんとしての感情をしっかり出すようにしていたので、涙は自然に流れていました」。

――やっぱり根っから女優さんなんでしょうね。つっつんのことを「世界で一番好きな人です」とも言ってましたが、そんな相手に彼女がいる状況で、自分だったら……と考えたりもしました?

「いえ、役として考えました。あの台詞は台本では、確か『世界で一番大事な人』だったんです。『世界で一番好きな人』はその場で出た言葉で、自分が綾戸さんとして存在できていることを実感しました」。


――なるほど。ただ、以前「おしゃれイズム」に萌音さんと姉妹で出演したとき、「最近は恋バナをするようになった」と話してましたよね?

「はい。恋バナはしてます」。

――ああいう恋をしていた綾戸さんの気持ちは、萌歌さんの感覚としてもわかりました?

「わかりましたし、泣くくらい誰かを好きになるのは素敵だなと思いました。そんな感情を役に味あわせてもらって、それが本当に出たシーンもあって、勇斗くんがビックリしながら『ありがとう』と言ってくれました。みんなでお芝居をぶつけ合えた気がして、すごく大切な場面になりました」。

――初めてやるタイプの役ではありつつ、全体的にそれほど悩まずできた感じですか?

「監督が自由に演じさせてくれましたし、同世代のみんなとやっていると、悩むより『次はもっとこうしたい』とか考えていました。自由のスイッチが入っていたので緊張もしなかったし、思い悩むことはあまりなかったです」。


――キャンプのシーンは泊りがけで撮ったそうで、劇中ではそれぞれ抱えているものがあるところでしたが、現場はやっぱり楽しかったような?

「もう終始楽しかったです。遠足みたいにみんなでバスに乗ってキャンプ場に行ったり、ハロウィンにも行ったり、1年を一緒に過ごしているような感覚がありました。『青春だな』と思いました」。

――リアルな学校生活を送っている感覚?

「そうですね。私たちは本当に仲が良くて、撮影は去年の夏前でしたけど、1年経った今でもみんなでよく遊びます。撮っていたときは、控え室がすごくうるさくて、みんなで話したり、モノマネをしたりしてました」。

――萌歌さんもモノマネをしたんですか?

「何かやったかな(笑)? 私は写真が好きなので、よくみんなを撮ってました。他愛のない話をして、みんなでアイスを買って帰ったりするのも楽しかったです。でも、真面目な話もしました」。

――演技論を交わしたり?

「みんな自由にやっているようで、ちゃんとお芝居について考えていて、意識をしっかり持っていたので、あまり正面切ってそういう話はせず、『お互い言わなくてもわかる』みたいな感じが素敵でした」。


――今度はキラキラ系の恋愛映画でヒロインをやる萌歌さんも見たいです。

「恋愛映画は観てましたけど、ティーン世代の恋愛モノに触れたことはあまりなくて、マンガ原作の映画に出るのも今回が初めてでした。思っていた以上に恋愛以外の人間ドラマもあったし、10代は貴重な時間で、まだ何者でもない人が集まって物語を作っていく感じが、たまらなくいいなと今回思いました。楽しかったので、ラブコメはぜひまたやりたいです」。

 
 


 
 

上白石萌歌(かみしらいし・もか)

生年月日:2000年2月28日(18歳)
出身地:鹿児島県
血液型:A型

 
【CHECK IT】
2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリを受賞。2012年にドラマ「分身」(WOWOW)で女優デビュー。これまでの主な出演作は、映画「脳漿炸裂ガール」、「ハルチカ」、「羊と鋼の森」、「未来のミライ」(声優)、ドラマ「幽かな彼女」(関西テレビ・フジテレビ系)、「私の青おに」(NHK BSプレミアム)、ミュージカル「赤毛のアン」、「魔女の宅急便」、舞台「続・時をかける少女」ほか。ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系/火曜22:00~)に出演中。映画「3D彼女 リアルガール」は9月14日(金)から公開。10月11日(木)~11月7日(水)に新橋演舞場で、11月15日(木)~24日(土)に大阪松竹座で上演の舞台「浪漫活劇 るろうに剣心」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 

「3D彼女 リアルガール」

詳しい情報は「3D彼女 リアルガール」公式HPへ
 

 

 
 

直筆サイン入り自撮りチェキ応募はコチラ⇒