欅坂46 駆け上るまで待てない! 齋藤冬優花

欅坂46 駆け上るまで待てない! 齋藤冬優花

PHOTO=堀内亮 STYLING=米丸友子
HAIR&MAKE=中條三菜子(kind) TEXT=斉藤貴志

 
 

欅坂46 駆け上るまで待てない!

 

今回のターゲット
齋藤冬優花

 
 

欅坂46の連載が1年ぶりに再開! この間いっそうの躍進を遂げてシーンを揺り動かす彼女たちから、3巡目のトップを飾るのはグループの支柱的存在となっている齋藤冬優花。そして、テーマは“選択の自由”です。

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 
――買い物や食事の注文では、選ぶのに悩むほうですか?

「ごはんは結構悩みます。絞るところまでは行っても、そこからどれに決めるかは考えます。最近でも欅の現場でお弁当が出て、魚が2種類に豆腐ハンバーグとかもあって悩みました」。

――10分とか、そういうレベルで?

「周りの流れに合わせます。周りがだいたい決めていたら自分も決めちゃうし、一緒に行った子が悩んでいたら、自分もじっくり考えます。でも、洋服や化粧品は欲しいと思ったら、すぐ買っちゃいます。欲しいのが二つあったら『どっちも!』みたいな感じです。買わないと『買えば良かった……』って後悔するので」。

――悩む前に両方買うと。

「そうですね。服はそんな頻繁に買わないので、買うときはガーッと買っちゃいます」。

――人生の岐路で「どっちの道を選ぶか?」みたいに悩んだことはありますか?

「欅のオーディションを受けたのが高校3年の夏で、進路を決めなきゃいけなかったんですね。そのときの私の選択肢は、大学に行くか、ミュージカルの専門学校に行くかだったので、そこは人生で最大に悩みました。でも、オープンキャンパスに行ったりしながら、結局は決まりませんでした」。

――大学に行くとしたら、その先に何を見据えていたんですか?

「ただ『大学に行ったら遊ぼう』と思っていました(笑)。社会人になっちゃう前に、遊べるのは最後じゃないですか。バイトして自分で稼いで、海外旅行に行ったり、いろいろやりたかったので、勉強する気はあまりありませんでした(笑)。専門学校に行くなら、2年間すべてを賭けて頑張ろうと思ってました」。

――そこに欅坂46のオーディションが第3の選択肢みたいになったわけですか?

「というより、そっちに逃げたのかもしれません。結局本当にやりたいことが見つからなくて、どっちか選ぶのは『もうムリ!』となっていたところで、『オーディションを受けたら何か変わるのかな?』と思って……。だから、救われましたね」。

――普通の人生か芸能界か……って、より大きな選択ではありませんでした?

「正直、当時は欅の活動がこんなに大きなことになるとは思ってなかったので、そこまで考えなかったです。『だんだん慣れていくかな』くらいの感じでした」。

――今は「普通に大学に行っていたら……」と考えることはありますか?

「高校で仲良かった友だちと今も会っていて、みんな大学を楽しんでいるので『いいなー』と思うときはあります。文化祭の話とかも聞きますし、時間割を自由に決められたり、大学生の普段の生活自体が楽しそうです」。

――冬優花さんはダンスを小学生の頃からやっていたそうですが、それは他の習いごとから選んだんですか?

「もともとは阿波踊りをやっていたんですけど、本当はヒップホップのダンス教室を友だちとずっと探していました。でも良いところが見つからなくて、たまたま阿波踊りと出会ったんです。そのときも悩みました。新しいことをやってみるか、ヒップホップをやらなくていいのか……」。

――阿波踊りかヒップホップか……って、普通ない選択ですね(笑)。

「そう。徳島の子でもないのに。でも、近くで阿波踊りをやっている団体の人たちがいて、入りやすかったんです。珍しいから今も特技でカブらないし、やっていて良かったと思います」。

――では、マンガなどでよくあるパターンですが、もし親友と同じ人を好きになったら、どういう選択をしますか?

「えーっ! どうなんだろう?? 話し合い……かな? 平和なのが一番なので……」。

――恋愛に限らず、争いごとは避けたいと?

「ずっと避けてきました。昔から個人戦が好きじゃなくて……。団体戦は大好きなんです。体育祭とか合唱コンクールとか、クラス対抗は好きでしたけど、クラス内の個人対抗はすごく苦手。番組の企画で運動会をやったり、メンバーと1対1で戦うのはイヤなんですよね……。絶対に団体戦がいいです」。

――この世界に入ってくる人は「自分が前へ出たい」というタイプが多いかと思いますが……。

「いや、私は全然。1人はムリ。戦えない感じです」。

――じゃあ、グループに入ったのは正解でしたね。「欅って、書けない?」の“相関図”の企画では、冬優花さんは4人から想いを寄せられている欅坂イチのモテ女と発覚して、選ぶ辛さもありそうでしたね(笑)。

「うれしかったけど、あれはたぶん、私から行ってるから来てくれたんです。私は自分からグイグイ行くんですね。メンバーで人見知りな子にも、自分から行ってました」。

――人見知りだけど仲良くなったメンバーというと?

「ほとんどのメンバーがそうです。欅はみんな人見知りだったので(笑)。尾関(梨香)なんかはオーディションの3次審査くらいで知り合ったんですけど、本当にずっと下を向いて座っていた感じです。番号が隣りで、私から一方的にしゃべり掛けてました」。

――取っ掛かりは「どこから来たの?」とか?

「そうですね。『何歳ですか?』みたいな話から入って……。でも、尾関からは一切しゃべらない(笑)。私が何か聞いても『うん』とか『はい』とかひと言で終わっちゃうような人見知りでした」。

――それでも冬優花さんは話し掛けるのを止めずに?

「はい。私はずっとしゃべっていたい人だから(笑)。話が終わったら空気を読んで時間を置くんですけど、またすぐしゃべって、すぐ終わって……みたいな繰り返しでした」。

――ツアーが終わったあとのブログでは、メンバー1人1人に対するコメントを書いてましたね。

「たぶん自分とファンの方では、メンバーの見え方が違うと思うんです。私はブログとかで自分から発信していくタイプですけど、あまり発信しないメンバーもいるし、みんなが自分をうまく見せられるわけではない。だから同じメンバーの私から見たメンバーを、ちょっとでも伝えられたらと思っています。ブログは気軽に見てもらえるから、自分のことばかりでなく、そういうことも書けたらと思っています」。

――本当にメンバー愛というか、欅坂46愛が強いんですね。

「メンバーのことをちゃんと知ってほしい、というのはあります」。

――それにしても、ああいうブログを書けるということは、ツアー中にも全員に目配りをしていたんですね。

「ああ……。どうなんだろう? 見ていたのかな? 意識はしていませんでした」。

――差し当たって今、何かで選択をしなきゃいけないことはありますか?

「20歳になったら、お金の管理をちゃんと自分でするように変えたいと思います。実家なので、今は欲しくなったら買っちゃうことが多いんですけど、そこの選択をちゃんとしていきたいです。本当に必要なのか、必要じゃないのか? 今は買える状況なのか? そういうことを自分でちゃんと考えようと思います」。

――最初に出た「服は欲しければ買う」というスタンスも変わりそう?

「そうですね。今は親に『買ってもいい?』みたいにお願いしちゃうんです。そこも自分で状況を考えて『今回はやめておこう』とか、決めていきたいです。たぶん悩みますね」。

――20歳には早くなりたい派ですか?

「なりたくないです(笑)。“10代”という響きが好きなので、19でもいいからずっと10代がいいです。でも、もうすぐで20歳なんですよね……」。

――10代最後の夏は充実していたのでは?

「楽しかったです。ライブしかなかったですけど(笑)」。

――特に印象的だったステージというと?

「『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』です。あの光景は普通の生活をしていたら絶対見られなかったし、それをこんなにすぐ見られるとも思っていませんでした。地平線まで人の海みたいな景色でした。見られて良かったです」。

――ステージで汗だくになって。

「激しく踊る曲が多いので……。みんな髪の毛とかも気にしないで汗だくになって踊っているのが、すごく『青春だな』と思いました。あの瞬間は本当に好きです」。

――アイドルファン以外にも支持が広がってます。

「私の高校のときの友だちの友だちが、アイドルにまったく興味がなかったのに欅のことを好きになって握手会にも行ってる……と聞きました。そういう話を何回か聞いたことがあります」。

――「ROCK IN JAPAN」でもアウェイ感はありませんでした?

「どうだったんですかね? 緊張して、あまり覚えてないんです。でも、お客さんがタオルをいっぱい振ってくれているのはわかりました。いろいろなアーティストさんのファンの方のタオルが回っているからカラフルで、それはすごく感動しました」。

――ところで、冬優花さんは名前に“冬”が入っていますが、好きな季節ですか?

「夏は日焼けが本当に嫌いなんです。肌が赤くなって痛くなるし、着込んだら暑くて汗だくになるし……。冬は寒ければ着込めばいいし、暖かい部屋が最高。なので、冬のほうが好きかもしれないですね。小さい頃はこたつに入ったら100%寝てました」。

――冬の寒い朝はパッと布団から出られます?

「苦手ですね。欅に入ってからは出られるようになりましたけど、学校に行ってたときは自分に甘々で全然起きませんでした」。

――お母さんに起こしてもらったり?

「お父さんも来ます。私が起きなさすぎるので、布団を剥がされて(笑)」。

――目覚ましはかけないんですか?

「アラームを1分おきにかけてます。でも、20回くらい鳴っても無意識に止めて、また寝てるんです(笑)」。

――冬はどんな過ごし方を?

「寒いから、あまり外に出たくないんですけど、冬は行事が多くないですか? クリスマスとか、お正月とか……。私の誕生日も冬なので、冬はいろいろな行事で食べるのが楽しみです(笑)。欅に入る前は好きなだけ食べてましたけど、ちょっとは気をつけなきゃいけない……というのもありつつ」。

――たとえばクリスマスには定番でケーキを?

「そうですね。実家におじいちゃん、おばあちゃんも一緒に住んでいて、お正月はおばあちゃんが料理をしてくれて、毎年いくら丼を食べます。ずっと前から、いくらを漬け込んでいるんです。お正月にすごく大粒のしょっぱいいくら丼を食べるのが好きです」。

――そうやって1年を積み重ねていく中で、何年後かにはこんな選択をしないと……みたいに考えていることはありますか?

「全然ないです。今は欅で活動しているときが一番楽しいので、それしか考えていません」。
 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 
 

齋藤冬優花(さいとう・ふゆか)

生年月日:1998年2月15日(19歳)
出身地:東京都
血液型:O型
 
 

欅坂46(けやきざか ふぉーてぃーしっくす)

【CHECK IT】
乃木坂46に続く“坂道シリーズ”第2弾のグループとして結成。5thシングル「風に吹かれても」が発売中。冠番組「欅って、書けない?」(テレビ東京/日曜24:35~)が放送中。ラジオレギュラー番組「欅坂46 こちら有楽町星空放送局」(ニッポン放送/金曜24:20~)、「はんにゃ金田と欅坂46のゆうがたパラダイス」(NHK-FM/月曜16:40~)がオンエアー中。
詳しい情報は欅坂46公式サイト
 
 

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