PICK UP ACTRESS 吉柳咲良

PICK UP ACTRESS 吉柳咲良

PHOTO=河野英喜 INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

映画「初恋ロスタイム」で映像作品に初出演
時間が止まった世界で恋が生まれて……

 
 

――ミュージカル「ピーターパン」でデビューした咲良さんが「初恋ロスタイム」で映像作品に初出演。自分では映画を観ることはありますか?

「はい。友だちと映画館に行くときは、青春モノや恋愛モノをよく観ます。先輩の竹内涼真さんが出ていた『青空エール』や『センセイ君主』も観ました」。

――そういう恋愛モノを観てキュンキュンしたりも?

「そうですね。友だちと『このシーン素敵だったね』と話したりします」。


――「初恋ロスタイム」では、咲良さんが演じる女子高生の篠宮時音が、浪人生の相葉孝司(板垣瑞生)と自転車の2人乗りで走るシーンがありました。

「THE青春という感じがしました。最初は自転車の後ろに立って乗るのが怖かったのが、何回か練習して楽しめるようになりました。坂道を2人乗りでダーッと下るときは、本当に『気持ちいいー!』と思いました(笑)」。

――2人乗りは、時が止まってすべてが静止した中で動ける2人が「悪いことをしよう」とやったわけですが、中学3年生の咲良さんは、普段もリアルに青春しているのでは?

「どうですかね? 学校もお仕事も楽しくて毎日充実していますが、自分が青春しているのかはよくわかりません。映画では青春を疑似体験した気がします」。

――時が止まった“ロスタイム”中に、時音が孝司の家で「一度やってみたかった」とケーキのホール食いもしてました。

「撮影のときは現場でホールケーキが三つしかなかったんです。二つ失敗して『最後の1個だぞ』というところでOKが出て、ホッとしました(笑)。ホールのままケーキを食べたことがなかったから新鮮で、おいしかったです」。

――咲良さんも「一度やってみたい」と思っていることはありますか?

「実はこの映画の中でひとつ叶いました。すごく高いトランポリンでジャンプしてみたかったので、時音が公園のトランポリンで跳ぶシーンは、私自身とても楽しみました。『ピーターパン』で空を飛んでいるので、高いところが好きなんです(笑)」。

――まだ実現してなくて、これからやってみたいことは?

「バンジージャンプはいつかやってみたいです。少し怖いだろうけど、楽しそうだと思うので。やっぱり、そっち系が好きです(笑)」。


――撮影では、初めての泣くシーンで何テイクも撮ったそうですね。

「すごく苦戦しました。カメラが回っているときは涙がなかなか出なかったのに、カットがかかると涙が出てきて、『泣くのは今じゃないんだよ』という感じで(笑)。そのシーンだけで時間を取ってしまって、すごく悔しかったし、自分に腹が立ちました」。

――悲しい気持ちにはなっても、涙が出なかった感じですか?

「ウルッとは来ても、涙がきれいに流れてくれませんでした。最終的に泣けたときは、それまでの悔しさとやっと泣けたうれしさで、大泣きしてしまいました。カットがかかったあとも、隅っこで1人で泣いていたのを覚えています」。

――普段からあまり泣かないタイプなんですか?

「涙もろいタイプではあります。でも、『泣くのは1人のとき』と決めていたので、撮影でも泣くことへの抵抗が勝手に出てしまったのかもしれません。人前で悔し涙を流した経験も、あれが初めてだったと思います」。

――バラエティ番組で、憧れの中井りかさんがアイドル定番の自己紹介を咲良さんのためだけにやってくれたときは、泣いてましたけど(笑)。

「あのときは本当にやっていただけると思っていなくて、うれしくて泣いてしまいました(笑)」。

――咲良さんは小学生でホリプロタレントスカウトキャラバンのグランプリを取ったときから精神的に大人びていた分、日常では感情の起伏を抑えているんですか?

「自分の心の中ではいろいろなことが起こっていたとしても、あまり表には出さないようにしています」。


 
 

まだ経験してない初恋の気持ちを
映画の中で味わうことができました

 
 

――今回の映画撮影で、舞台芝居との違いも感じました?

「そうですね。まず台詞を言うときの声の大きさを調整することが難しかったです。それと、舞台では遠くにいるお客様にも表情やひとつひとつの動きが伝わるように意識していて、映画ではより日常を撮っている感じでした。そこが全然違っていて、戸惑いはありました」。

――時音の物をはっきり言うところは、咲良さん自身と重なるのでは?

「役を通して、似てきたところはあるかもしれません。時音のどんな人にも迷わずはっきり物を言えるところは、本当に尊敬しています」。

――時音は孝司に「何もしないで人をバカにしているほうがくだらない!」と怒ってましたね。他に、特に印象に残ってるシーンはありますか?

「(青年医師役の)竹内さんや板垣さんの必死な空気感が、目をつぶっている私にも伝わってくる場面がありました。私も見習って付いていけるように頑張ろうと思いました。尊敬できる先輩方とご一緒できて、うれしかったです」。


――ちなみに、咲良さんは“初恋”にどんな思い出がありますか?

「私はまだ初恋を経験してなくて、この映画の撮影が始まるときも、まず『恋って何だろう?』というところから考えました。時音の役を通して、恋する女の子の気持ちを味わうことができました」。

――“初恋”という言葉からはどんなイメージが浮かびますか?

「大人になったとき、『懐かしいな』と思い出すのが、初恋のイメージかなと思います(笑)」。

――中3らしからぬ初恋観(笑)。理想の初デートというと?

「おうちデートに憧れます。基本的におうちが好きなのと、別々に好きなことをしていても同じ空間にいられるだけで安心する関係は素敵だなと思います」。


――劇中では孝司と時音が「花火大会に行かない?」という会話もしてました。咲良さんはそういう夏の思い出はありますか?

「夏はずっと『ピーターパン』の公演です(笑)。小さい頃は地元のお祭りによく行っていたので、屋台やお祭りの雰囲気は大好きです」。

――来年、高校生になったら、どんな青春を送りたいですか?

「私は歌うことがすごく好きなので、みんなで放課後にカラオケに行きたいです」。

――カラオケで歌うのはどんな曲ですか?

「椎名林檎さんをよく歌います。最近だと、友だちが歌っていたあいみょんさんの曲を聴いていたらハマって、よく歌うようになりました」。

――何にせよ、カラオケは高校生になる前から、もうよく行ってるわけですね(笑)。

「そうなんです。高校生になっても変わらずにいられたら、一番幸せかもしれません」。


 
 


 
 

吉柳咲良(きりゅう・さくら)

生年月日:2004年4月22日(15歳)
出身地:栃木県
血液型:B型
 
【CHECK IT】
2016年の「第41回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で史上最年少の12歳でグランプリを獲得。2017年のブロードウェイミュージカル「ピーターパン」で、初代の榊原郁恵から笹本玲奈、高畑充希、唯月ふうからが務めてきたピーターパン役の10代目に抜擢されて、3年間続けている。アニメ映画「天気の子」に声優として出演。映画「初恋ロスタイム」は9月20日(金)より全国ロードショー。2020年、1月20日(月)~2月9日(日)に東京建物 Brillia HALLで上演される「デスノート THE MUSICAL」に出演。
詳しい情報は公式HPへ
 
 

「初恋ロスタイム」

詳しい情報は「初恋ロスタイム」公式サイトへ
 

 

 

 
 
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