PICK UP ACTRESS 喜多乃愛
PHOTO=小澤太一 INTERVIEW=斉藤貴志
出演する連続ドラマ3本が放送中
「コーヒー&バニラ」では直球で話す役
――放送中のドラマ「コーヒー&バニラ」の芦屋なつき役のために人生初のボブにしたそうですが、自分でも切りたい気持ちはありました?
「あったんですけど、長い髪しか経験なかったので勇気が必要で、こういう役がなかったら切ってなかったと思います」。
――シャンプーの量は減りましたよね?
「今まではプッシュ3~4回だったのが、今は2回で済みます。髪を洗った後も、前はずっとタオルで拭いてないといけなかったんですけど、今はほっとけば乾きます(笑)。あと、髪を切ったら、似合う服が変わりました」。
――なるほど。女の子ならではの感覚ですね。
「それは自分でも予想外でした。長いときの服をそのまま着るとちょっと違うし、短いのに合わせて一歩間違えると大人びすぎちゃったり、バランスが難しいです。でも、そういうファッションの冒険を楽しんでいます」。
――3月に高校を卒業してから、生活が変わった面もありますか?
「卒業してしばらく、あまり早く起きない時期があったんですけど、そうすると気が緩んで、頭が痛くなっちゃうんですよ(笑)。今はむしろ、何もない日こそ早く起きます。7時とか8時とか。起きてからしばらくはボーッとしてますけど(笑)」。
――ドラマのなつきは、主人公の白城リサの親友で、地方から上京してくるんですよね。
「どうしても東京に行きたくて、大学に落ちたのに出てきてしまった女の子です。東京生活を満喫できるように頑張ってます」。
――気が強くて元気なキャラクターです。
「今までこういう役は、ありそうで意外となかったんです。思ったことを直球で口に出すタイプで、自分の意見を貫き通すので、会話を自分で引っ張っていく力が必要な役どころです。毎回新しいチャレンジをしている感覚で、ちょっとドキドキしながらやってます」。
――乃愛さんも気が強いところはないですか?
「人に対する当たりは全然強くないです。でも、自分の中では気が強いかもしれません。いろいろな現場で『物怖じしなさそう』と言われます」。
――なつきは乃愛さんの素に近い役ではないと?
「全然違います。でも、そんなに意識して変えてません。現場にいると自然になっちゃん(なつき)になるし、やっぱり原作に合わせて髪を切ったのが大きくて、イメージが湧きやすいです」。
――あまり演じ方に悩むことはないですか?
「いや、結構悩みます。原作のなっちゃんのかわいらしさを、実写化してどれだけ出せるか。あざとい感じになったら台無しなので、そこが一番悩むところですね。現場に原作が置いてあって、これから撮るシーンはマンガではどうなっているか、確認しています」。
――もともと恋愛マンガはよく読んでいたんですか?
「あまり読んでなかったんです。禁止されていたわけではなくて、マンガよりドラマを観て育ちました。この世界に入ってから、自分が出たりオーディションを受けるときに原作を読むようになって、今のほうがケタ違いに興味あります」。
――「コーヒー&バニラ」には、リサの初カレでイケメン社長の深見のほか、彼のライバルで肉食系社長の阿久津、美青年秘書の市柳、リサの大学の同級生で犬系男子の吉木が登場してます。乃愛さんが惹かれる男性キャラは?
「それは現場でも結構話題になっていて……(笑)。なっちゃんは深見さんにひと目惚れしますけど、彼は夢の世界の王子様という感じですね。リアルにいたら、吉木くんがモテると思います。相手に尽くして、自分が幸せではなくてもその人には幸せになって欲しいというタイプなので」。
――リサ役の福原遥さんとは同じ事務所ですね。
「レッスン仲間です。現場では他に女性キャストが少ないので、遥ちゃんがいるとすごく楽しいです」。
――年齢はあまり変わりませんが、キャリア的にはだいぶ先輩です。
「気配りがすごいし、現場をパッと明るくさせて、カッコイイです。なっちゃんが出てなくて、リサの甘いシーンを撮影しているときは、モニターを見てニヤニヤしてます(笑)」。
役で初めてバイトを経験できて
もんじゃを作る練習もしました
――「監察医 朝顔」では、主人公の朝顔の行きつけのもんじゃ焼き屋の店員の小野佳代役。朝顔役の上野樹里さんには、どんなイメージがありました?
「私の中では小さい頃に観ていた(『のだめカンタービレ』の)のだめのイメージが強くて、すごくきれいなお姉さんと思ってました。お会いしたら本当にカッコ良くて、1人でドキドキしてました(笑)。目の前でお芝居が見られて、本当に幸せです」。
――佳代は1話から「焼きそばお待たせしましたーっ!!」と元気いっぱいでした。
「元気な子で店長を慕っているけど、ちょっかいを出してイジっちゃう感じです(笑)。ドラマが決まってから、もんじゃを作るシーンがあるかもしれないので、素人っぽくならないように、お店に練習しに行きました」。
――もんじゃはもともと好きなんですか?
「好きです。家の近所にはあまりお店がなくて、撮影で月島に行ったら、めちゃくちゃあったので、『絶対に家族や友だちと来よう!』と思いました(笑)」。
――ああいうお店でバイトしたいと思ったことは?
「ありました。エプロン付けて、やってそうですか(笑)? 私、バイトというものをやったことがなかったので、今回役ですけど初めてできて、うれしかったです。でも私、パン屋さんになるのが小さい頃の夢でした。今でも密かに夢なんです(笑)」。
――パンが好きだから?
「特別に好きというより、パンの匂いをずっと嗅いでいたいんです(笑)。だから、パンがたくさん並んでいる空間が大好きです」。
――そういえば、「ZIP!」の「キテルネ!」でパン屋さんのレポートをしてましたっけ?
「あっ、しました! 何軒も有名店を回って、すごく楽しかったです」。
――あのレポーターはオーディションがあったんですか?
「ありました。面接と特技披露と、食レポをやったり、着ている服のファションポイントについて話したり……。『ZIP!』は毎日通学の前に観ていたので、決まったときは『まさか!』ってうれしかったです」。
――レポートは楽しそうですが、陰の苦労もあります?
「食レポは本当に難しいです。普段テレビでアナウンサーさんたちの食レポを何気なく観てましたけど、『こんなにすごいことをやっていたんだ』と思いました。おいしさをどう伝えたらいいのか。『モチモチ、フワフワ』とかありきたりな言葉になってしまうから、ボキャブラリーを増やすために、いろいろ観ています。あとは朝の番組は元気いっぱいなのが一番で、テンションはアゲアゲでやってます」。
――今までで我ながら良かったと思うレポートはありますか?
「いつも朝早く起きて、ハラハラしながらオンエアを観ますけど、サンドイッチ特集のとき、食べてビックリして『ウソでしょ!?』とそのまま口にしたのが、意外と良かった気がします。語彙も大事ですけど、ああだこうだと頭で考えるより、瞬発的に出たリアクションのほうが伝わるのかなと思いました」。
――今年の夏は学校の宿題がなくなり、去年まであった舞台もない分、ドラマの撮影はありつつ、何かやろうと思っていますか?
「まだ何も考えてないです。今はドラマのことでいっぱいいっぱいです」。
――5月で19歳になったので、10代最後の夏になりますが……。
「わおっ(笑)。そうでした。絶対に花火大会は行きたいです。私は打ち上げ花火が大好きで、おばあちゃんの家が新潟なので、小さい頃から長岡の花火大会に行ってました」。
――有名ですね。
「近くまで行くと火薬が降ってくるので、傘をさして見るんです。そういう体験をまたしたいですね。去年の夏を思い出しても、舞台のことしか出てきませんけど、お稽古終わりに外に出たら、どこかで打ち上げているのをみんなで見られて、すごく印象的でした。花火は何かわからないけど感動するし、夏って感じがします」。
喜多乃愛(きた・のあ)
生年月日:2000年5月18日(19歳)
出身地:埼玉県
血液型:A型
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中学3年のときに研音のオーディションに合格。2017年にドラマ「あなたのことはそれほど」(TBS系)で女優デビュー。主な出演作はドラマ「花のち晴れ~花男Next Season~」(TBS系)、「僕とシッポと神楽坂」(テレビ朝日系)、「ハラスメントゲーム」(テレビ東京系)など。「コーヒー&バニラ」(MBS/木曜24:59~、tvk/木曜23:00~ほか)、「監察医 朝顔」(フジテレビ系/月曜21:00~)、「いつか、眠りにつく日」(フジテレビ/月曜24:55~、FODで配信中)に出演。ファースト写真集「noa」(ワニブックス)が発売中。
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