PICK UP ACTRESS 小島梨里杏
PHOTO=PHOTO=名児耶洋 INTERVIEW=斉藤貴志
「DAM CHANNEL」15代目MCに
音楽情報やゲストとのトークを配信
――通信カラオケに配信される音楽番組「DAM CHANNEL」の15代目MCとなって、その収録後に取材時間をいただきました。
「今日が2回目の収録で、ゲストのアーティストさんが5組いらっしゃいました。1回目は4組で、朝からガーッと撮ってます」。
――ゲストを5組も入れ替わり立ち代わり迎えるのは、相当エネルギーが要りません?
「今までにやったことのない仕事でもあるので、いろいろな神経や感性は使いますね。いつもはこういうふうに聞かれる側だったのが、逆の立場になって、初めて考えることもあります」。
――たとえばどんなことですか?
「自分が取材されているときは『何でも聞いてください』という気持ちで、話の順番とか気にしたことはなかったんです。でも、初めて聞く側になったら、少なからず考えないといけなくて。台本上では『この順番で』というのがあっても、ゲストさんのほうから先に話が出たりして、それをどう繋げていくか……という作業があります」。
――わかります。
「お芝居でもアドリブでリアクションをするのは好きだから苦ではなく、むしろ楽しいですけど、もともとあった質問事項をどう組み込んでいくかが大変で、『今の流れは不自然だったな』と思うときもあります。こういうふうに会話している分には良くても、カメラが回っていると『質問が唐突だったかな?』とか……。逆に、スムーズにできたときの喜びもあります」。
――ゲストを迎える準備は念入りにしているんですか?
「そのアーティストさんがシングルやアルバムを出すというときでも、そのCDの曲だけではなく、以前の作品も聴いておきます。『今までどんな曲を作ってきた方なのか?』『何に興味があるのか?』など、用意された質問事項になかったことも調べて、掘り下げるようにしてます」。
――どんなゲストが来たんですか?
「最初はビッケブランカさんという男性シンガーソングライターさんや、GARNiDELiAさんというアニメの曲を多く作られている男女ユニット。その男性のtokuさんがジャケット写真だとクールなイメージだったのが、話すと柔らかい雰囲気の方で全然違っていて、『エッ?』となりました(笑)。あと、リーマンマイクさんというヒップホップユニットの方たちはリアルにサラリーマンとして働いていて、合コンで絶対盛り上がりそうな楽曲が面白かったです」。
――そういう人たちが次から次へと。
「全然タイプが違うアーティストさんたちなんですよね。今日は女性シンガーソングライターのMACOさんに、アニソンの神と呼ばれるLiSAさん、ヒップホップのSUSHIBOYSさん……って、本当にいろいろでした(笑)」。
――その分、いっぱい勉強が必要ですよね。梨里杏さんもカラオケはよく行くんですか?
「多かったときは週4日以上とか(笑)。『DAM CHANNEL』も観てました。もともとは家族で行くことが多かったんですけど、中学生の頃までは誰もカラオケに行く習慣がなくて、私は放課後に友だちと遊ぶこともしない真面目さんでした(笑)。高校生になって家族で行ったときも、恥ずかしがり屋さんが多いから、みんなあまり歌わなかったんです。私もその血を継いでますけど、歌っていたらだんだん楽しくなって、ハマっちゃいました。高校を卒業してからは1人でもよく行くようになって、今は家でも結構歌ってます」。
――カラオケで歌う定番曲はあります?
「最近はamazarashiさんが多いです。あとは、石崎ひゅーいさん、クリープハイプさん、斉藤和義さん、竹原ピストルさんとか、男性の歌が好きですね」。
――骨太なところを。
「でも、自分が歌うと全然違うので、悔しさはあります(笑)。女性らしくかわいく歌う意識はまったくなくて、『あの声が好き。あの雰囲気がいい』と思って歌ったら『違う……』みたいな感じです」。
――どう考えても、梨里杏さんが歌って竹原ピストルさんみたいにはならないと思いますが(笑)。
「ガッツリ歌いたいのに『これじゃない。自分の声ではできない』って悔しくなることが多々あります。でも、amazarashiさんの曲は自然に熱唱できたり、最近はキーが高い曲より低い曲を歌うことが多いです」。
――女性の定番系は歌わないんですか?
「高校生の頃は中島美嘉さんや絢香さんやSuperflyさんを歌っていて、好きは好きです。打ち上げや大人数のときは、いきものがかりさんとかみんなが知ってる曲を歌います。そこでamazarashiさんを歌っちゃうと、真に迫った歌詞で私は好きですけど、盛り上がる席には合わないので。ケース・バイ・ケースで臨機応変にしてます」。
――カラオケとはいえ、自己満足だけにならないように?
「そうですね。でも、気を許した友だちや家族で歌いに行ったときは、もうみんなガンガン自由に歌います(笑)」。
自分がツッコむことで場が
楽しくなるのはうれしいです
――MCの仕事は前からやりたいと思っていたんですか?
「どうだろう? やりたいと思ったきっかけは『天才てれびくん(YOU)』になると思います。あれ自体MCということになってますけど、基本的にお芝居の中でのリーダー役という意味なので、進行したり回す場面はあまりなくて。でも、番組内で千鳥さんがてれび戦士とやる企画モノのコーナーがあって、そこがMCみたいなことなんですよね。フリップボードをジャン、とか。その立ち位置を団長(立花裕大)たちとやらせていただいたとき、めちゃくちゃ楽しかったんです」。
――仕切ったりするのが?
「はい。私はしっかりしていると思われがちですけど、プライベートでは全然しっかり者ではなくて、仕切るより『端にいます』みたいなタイプなんです。だから、MCにも縁がありませんでした。『天てれ』でやったときは、子どもたちが自分で考えた“もじもん(漢字の精霊)”を描いてきてくれて、上手い子もいれば『何これ?』みたいな絵もある中で、誉めるだけではなくツッコんでいくのが面白くて……。イジったことで子どもたちが笑ってくれるんです。自分がツッコんで場が楽しくなるのが、うれしかったですね」。
――病みつきになりそうな?
「私の単独イベントでお笑い芸人の方に来ていただいて、イジったりイジられたりしながら一緒に盛り上げたときにも、その節がありました。やっぱり人が笑っているのを見るのは好きだし、自分が言ったことで空気が変わるのを知ったのも、MCに繋がったと思います」。
――梨里杏さんの中に芸人気質みたいなものもあったんですかね?
「そうかもしれません。バラエティに出させていただいて芸人さんたちと絡んでも、女優だと別枠な感じがあるじゃないですか」。
――どこまでイジっていいのかわからない、みたいな。
「それが素敵な方もいますけど、『ミラクル9』に出させていただいたとき、隣りにいたくりぃむしちゅーの有田(哲平)さんが私がふとこぼしたひと言を拾ってくれて、クイズ番組なのに勝手に相談しちゃう流れができたんです。『こうやって一緒に作り上げていくんだ!』というのをバラエティでも感じました」。
――ドラマとかと同じように。
「『しくじり先生』の痴漢冤罪の話でも、私が隣りの高橋克実さんを何の気なしに見ていたら、オードリーの若林(正恭)さんが『どうしたの? そんなに克実さんを見て』とツッコんでくれて、克実さんが『俺、痴漢なんかやらないよ!』って、そういうキャラになっていったのが楽しくて……。受け身でいるだけではなく、自分から何か起こしたら、生まれてくるものがあるのもわかりました。バラエティを今まで以上に観るようになって、芸人さんにもタレントさんにも尊敬のまなざしですけど、MCの方が面白く回して、ゲストの方をイジりつつイジりすぎずみたいなことをしているのが、カッコイイと思いますね」。
――梨里杏さんも業界での女性MC枠みたいなところを狙っていくわけですか?
「MCをやりたい想いもあることはあります。でも、やっぱり私は役者が一番やりたいので、そこを広げていった上で、MCでも何でもマルチにできるようになれたらいいなと思います。そういう方もいますもんね」。
――「天てれ」では生放送でも鍛えられているんじゃないですか?
「そうですね。本当に生モノで、何が起こるかわかりません。しかも子どもたちが相手なので、リハーサルと全然違うこともあります。出演しているてれび戦士だけではなく、観てくれている茶の間戦士の(リモコンによる)反応でも変わるので、向こうが盛り上がっていたらうれしくなります。逆にシャイな子が多くて静かだったら、『元気ないね~』みたいなことを言ったりもしますけど、時間が決まっている生放送だから自由にイジればいいわけではなくて、進行もしないといけない。その中でやっていくのは、1年経っても難しいなと思います。茶の間戦士と一番仲良くなれるのが生放送なので、距離感は大事にしているつもりです」。
――データ放送に異常が発生したときも、冷静に対処していました。
「初回ですよね? もともとそういう性格なんです。みんなが悲しんでいるときに『じゃあ、私は強くならないと』みたいな。だからスタッフさんが混乱しているのを見て、普通なら自分もワーッとなるところで、『ここは落ち着いて』ってスッとできて大丈夫でした」。
――仕切るのに向いているかもしれませんね。ところで、ツイッターに「今年度は自分のすきなことをもう少し公にできていけたらいいなぁ~」とありましたが……。
「それが『DAM CHANNEL』にも通じる歌のことです。歌は大好きですけど聴く側だし、『役者が歌っても……』みたいに思っていたんですけど、やっぱり好きなことには挑んでいきたいじゃないですか。一度きりの人生だし、チャンレンジしてダメでもいいし……」。
――歌手もやっていく、ということですか?
「というより、発信する勇気を持とうかなということです。今はSNSで皆さんが見てくださる分、『これはやめておこうか』とかいろいろ考えるんです。でも、広げていく勇気も持ちたいと、ちょっと思っている感じです」。
――何かヘンな趣味を公にする、ということではないんですね(笑)。
「そうではないです(笑)」。
――プロフィールの趣味には“旅行”もありますが、最近はどこかに行きました?
「行けてないです。でも、ライブには行きたいと思っています。舞台や映画は観ることが多いんですけど、ライブは『行きたい』と言いながら、仕事がいつ入ってくるかわからないから、『チケットがキャンセルになっちゃうとイヤだな』って断念することがありました。そこを『どうなるかわからないけど、チケットは取っておこう』みたいな。キャンセルになってもいいから……という気持ちは上がりましたね」。
小島梨里杏(こじま・りりあ)
生年月日:1993年12月18日(24歳)
出身地:東京都
血液型:O型
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2014年に「烈車戦隊トッキュウジャー」(テレビ朝日系)にミオ /トッキュウ3号役で出演して注目される。これまでの主な出演作はドラマ「表参道高校合唱部!」(TBS系)、「朝が来る」(東海テレビ・フジテレビ系)、「子連れ信兵衛2」(NHK BSプレミアム)、「3人のパパ」(TBS系)、映画「オオカミ少女と黒王子」、「人狼ゲーム プリズン・ブレイク」、「暗黒女子」ほか。「天才てれびくんYOU」(NHK Eテレ/月~木曜18:20~)に出演中。通信カラオケ配信番組「DAM CHANNEL」でMCを担当。ABC-MART 「NEW BALANCE LAZR NERGIZE」CMがオンエア中。舞台「-初恋2018」(東京芸術劇場シアターウエスト/9月27日(木)~10月4日(木))に出演。
詳しい情報は公式HP
「DAM CHANNEL」
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