PICK UP ACTRESS 駒井蓮
PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志
「先に生まれただけの僕」に出演中
書道部の部長役で初めてクールな演技も
――青森から上京して1年半。東京でお気に入りの場所とかできました?
「最近は下北(沢)です。東京っぽくない商店街の雰囲気が好きで、古着屋さんをブラブラ回ったりしています。古着ってメンズが多いじゃないですか。大きいシャツとか買って着ていると『何それ?』ってビックリされますけど、自分だけの服を見つけるのが楽しいですね」。
――すっかり東京の女子高生という感じですね。
「まあ、そうですかね? 原宿や渋谷も好きで、友だちとカラオケやショッピングに行くことも増えました。でも姉たちと一緒に住んでいるので、家にいるとあまり変わらないです。夏休みには、まだプライベートで行ったことのなかったところにいろいろ出掛けました。ずっと仕事と学校だったので、開けたところに行きたくて、お台場とか代々木公園とかに行きました」。
――夏は地元だとやっぱり、ねぷた祭りで盛り上がるんですか?
「親戚で集まるのが恒例でした。見に行かなくてもねぷたの音が聞こえるし、家の前を普通に通るので。夜までワイワイして、おじさんたちはお酒を飲んで真っ赤になって、地元ならではのお祭り感がすごく好きでした」。
――放送中の「先に生まれただけの僕」は夏の間に撮影は終わったそうですが、蓮さんは学園ドラマは初めてですよね?
「ガッツリ学園ドラマをやるのは初めてです。9クラスあって生徒が300人くらいいたのかな? 全校集会のシーンだと先生も普通にいるし、本当にひとつの学校のようでした。監督も生徒のリアルさにこだわって、私だったら書道部の部長役だから、見た目的にも真面目に第一ボタンから締めてリボンもしっかり付けたりしました。そういうのが人によって違って、面白かったです」。
――クラスも本当の学校感がありました?
「ありました。撮影を重ねるごとにみんなと仲良くなるので、撮るときも役として自然な会話ができるんです。男子が元気でうるさいのも普通の高校のクラスみたいだし、私も同じクラス役の子と会うと『おっ!』となって、みんなで和気あいあいとしてました」。
――そういう場で、蓮さんは自分から他の人と仲良くなるタイプ?
「私は自分から行きます。よく『最初はちょっと壁がある』と言われるので、逆に自分から『どこ出身?』『何が好きなの?』とか聞いて質問攻めにします。書道部のメンバーとは7日間くらい練習に通って、それが合宿みたいで楽しかったです。本当に部活をやっているような感覚になりました」。
――演じている谷口萌は、さっき出たように真面目な生徒です。
「今までは真面目でも明るい役が多かったのが、谷口萌はクールというか、ちょっと大人な考え方をして、人に強く当たったりするのが私には新鮮でした」。
――どんなことを言うんですか?
「5話で書道部があるお願いをされて、けっこう悪態をついてましたね(笑)。書道にプライドを持っているので、練習するときは汗を流しながら一生懸命やる。私も書道は9年やってましたけど、そういう真剣さを大事にしました」。
――凛々しい感じで?
「そうですね。でも、ベースには高校生らしさがあります。私も撮影に入るまではワイワイしないのかと思ってましたけど、台詞がないシーンで監督に『ここはちょっと走って』と言われて、『あっ、そういう子か』と考えを変えました」。
――そんな何気ないところから?
「はい。真面目だからって笑わないわけではない。クラスで仲良い子としゃべったり、ワイワイするところはする。書道では真面目さを貫く。そういうメリハリを付けるようにしました」。
――夏にオンエアされた「スカッとジャパン」の「胸キュンスカッと」では水泳部のマネージャー役でした。デビュー作のポカリスエットのWebCMでは野球部のマネージャーだったし、縁がありますね。
「マネージャーになりたい願望はありました。スポーツは好きで、甲子園や高校サッカーも観るので、野球部かサッカー部で。誰かのために『どうしたらいいかな?』と考えるのも好きなんです」。
――蓮さんはよく気がつくみたいだし、いいマネージャーになりそう。
「そうですか? 後輩には厳しくしそうです。小学校のときに合唱団を3年やって部長になったんですけど、『後輩は片づけを率先してやるべき!』とか『先に入っているべき!』って、めっちゃ怒ってました(笑)。仲が良いのとダラけるのは違うので、怒鳴ったこともけっこうあります。小学生にしては怖かったんじゃないかと思います」。
――中学時代は?
「美術部に入っていて、部長ではなかったんですけど、やっぱり後輩には厳しくしてました。片づけとか道具の準備とか、そういうことを大切にしたかったし、人としての気遣いをすごく大事だと思っていたんです。部活でなくてもグループで何かやるときは、みんなに一生懸命やってほしくて。それで怒ると、すごく言っちゃうタイプ。なんであんなに言っていたんだろう(笑)?」。
実際には絶対ないシーンで
「青春したな」と思いました
――それだけ真っすぐだったんじゃないですか? 「胸キュンスカッと」の夜のプールのシーンは、服のまま2人でプールに落ちたりして、胸キュン度MAXでしたね。
「撮影でしかできないことだから面白かったです(笑)。あれは小学生用のプールだったんです。普通に立つと体がだいぶ出ちゃうので、高校のプールに見えるようにしゃがんで入っていました」。
――そこで手を握り合ったりして。
「実際の高校では絶対ないですからねー。『これが青春か……』と思いました。家に帰って『今日は青春したな』って(笑)」。
――でも、あのシーンはやり直しができない状況だったのでは?
「そうですね。プールサイドでタオルを引っ張り合って、間違って落ちるところは一回で撮りました。相手役の高野海琉くんと『何回引き合って、どこで落ちるか』を直前にすごく確認して、何とかうまくいきました。でも私が一番難しかったのは、プールのなかで潜水して、目を開けて会話したシーンです。自分の口がちゃんと開いているのか、どう映っているのか全然わからないし、体が浮いてきちゃうので。水中の撮影は大変でした」。
――潜ること自体は普通にできたんですか?
「水泳を習っていたので、普通にできました。ただ夜だったから、プールから上がった瞬間『寒っ!』となりました。落ちてから1時間くらいプールに入っていたんです。途中で出ると寒くなっちゃうから。撮り終わって、子ども用のビニールプールにお湯を張っていただいていたので、入って暖まっていました」。
――夏はいろいろあったようですが、蓮さんは宿題は早めに片付けるタイプ?
「それが毎年ギリギリで……。いろいろな人に『真面目だからパッパと終わらせそう』と言われますけど、やりたいことを優先しちゃうので早く終わったためしがなく、最後に徹夜するタイプです」。
――成績優秀と聞きますが、普段はコツコツ勉強していて?
「コツコツはやってないです。テスト前には勉強します。仕事がないときにいかに集中してやれるか、ですね」。
――仕事が忙しくて、ないときは勉強するとなると、息抜きには何をしてますか?
「部屋で熱唱します(笑)。洋楽も邦楽も好きで、最近はエルトン・ジョンさんの『Your Song』を歌ったりしています」。
――あれは熱唱するような歌ですかね(笑)?
「いや、私は熱唱します! あとは絢香さんや松任谷由実さんの歌が好きで、音楽をかけて1時間ぐらい歌ってますね。『叫びたい!』というときは家だと近所迷惑になるので、カラオケに行って、Little Glee Monsterさんとかのテンポが良い曲を大きい声で歌います」。
――家で歌うのも、お姉さんたちには迷惑なのでは(笑)?
「『真夜中にうるさい!』とか怒られます(笑)。最初は鼻歌なんですけど、本気で歌い出しちゃうので、迷惑ですよね。息抜きにはあと、ドラマや映画を観るか、本を読むか、寝るか、四つの選択肢があります。学校から帰ってきたら、ごはんを食べながらドラマを観るのがサイクルになっています。ドラマはほぼ全部録画しているので、毎日観るのが楽しみでもあり、勉強でもあります」。
――どんなドラマが好きなんですか?
「朝ドラはずっと観ています。あとは『過保護のカホコ』や『ごめん、愛してる』も好きだったし、ユースケ・サンタマリアさんが主演で女の子が歌うNHKの『悦ちゃん』も面白くて、ずっと観てました。局によってドラマのテイストや作り方が違っていて、NHKさんは丁寧さみたいなのがあるとか、そういう発見も面白いですね」。
――テレビ朝日の大人向けドラマも観ます?
「観てます。『相棒』とかシリーズものが面白いです。出ている役者さんの世代も違っていて、『こういう年代の方はこう演じるんだ』というのもありますし、同年代の方が『こういう女の子を演じるんだ』というのは一番勉強になりますね」。
――12月の誕生日が来ると、花のセブンティーンになりますね。
「花……なのかな? 私、学校ではすごく人見知りで……」。
――えっ? さっきは「自分から話に行く」という話でしたが……。
「仕事だとすごくしゃべるんです。『しゃべろう』と意識しているわけじゃなくて、話すのが好きなので。大人の方とでも、同年代の共演者でも。それが学校だと何かダメでクラス替えも苦手で、2年生になったときも友だちができなくて大変でした。でも文化祭もあって、やっと最近クラスに友だちも増えて、学校も楽しくなってきました」。
――青春している感じに?
「そうですね。お昼ごはんを食べるときにワイワイしたり、男女関係なく騒いだりするのが、高校生ならではですよね。それでお仕事だと、また全然違う方と出会えて、新しいことを学べる。学校とお仕事、どっちもあるから楽しいんだと思います」。
――1年前に取材させてもらったときは、「見た目は大学生、心は小学生」と言われる……という話がありました。
「そこは変わってないと思います。高1で上京して高2になって、『大人っぽくなったね』と言われることも多いんですけど、相変わらず中身は小学生(笑)。思ったことが顔に出やすいので、よく『単純』と言われます。携帯で誰かと連絡して、うれしいことが書いてあるとずっとニヤニヤしていて、電車の中で変人に思われてないか、たまに心配になります(笑)。あと、楽しいことがあるとすぐ騒いで、跳ねたりしちゃうのも子どもっぽいみたいです」。
――最初に出た古着屋を回るときもそんな感じ?
「『オーッ!』となっちゃいます。イベントやお祝いごとも好きで、落ち着きがなくなって、飾り付けをしちゃったりしますね」。
――そういえば、クリスマスには家で“Merry Xmas”とかいろいろ飾り付けをするということでしたね。
「去年、1人でやりました(笑)。今年もやります。みんなでワイワイ楽しむ時間を大切にしたいんです。だから、お仕事の現場でも、誰かの誕生日やクランクアップには何かしたくなるし、これから行事の多い時期なので楽しみたいなと思います」。
駒井蓮(こまい・れん)
生年月日:2000年12月2日(16歳)
出身地:青森県
血液型:O型
【CHECK IT】
2014年に大塚製薬「ポカリスエット」WebCMでデビュー。これまでの主な出演作はドラマ「キャリア~掟破りの警察署長~」(フジテレビ系)、映画「心に吹く風」、ショートフィルム「わかれうた」など。現在、「先に生まれただけの僕」(日本テレビ系/土曜22:00~)、「テストの花道 ニューベンゼミ」(NHK Eテレ/月曜19:25~)に出演中。パナソニック「Every Day is a Sunny Day」CMがオンエア中。ソニー生命、JR西日本「さわやかマナーキャンペーン」広告でモデル。2018年公開予定の映画「名前」に主演。
詳しい情報は公式HP