PICK UP ACTRESS 中村ゆりか

PICK UP ACTRESS 中村ゆりか

PHOTO=石垣星児(BLOCKBUSTER) TEXT=小山内凛

 
 

「JR東日本アプリ」のCMで話題の19歳が
ドラマ「舞え!KAGURA姫」でイマドキ女子高生役に挑戦

――広島発地域ドラマ「舞え!KAGURA姫」の試写を拝見させていただきましたが、明るくてやんちゃないわゆる“イマドキ女子高生”な感じがすごく板についていたように感じました。

「本当ですか! よかった〜。こんなに自由気ままで前向きな女の子の役は、今まで演じたことがなくて。お話をいただいたときに、マネージャーさんと『1回やってみて、できるかどうか見てみよう』って話してたから、私もマネージャーさんもすごくドキドキしてたんです。放送前なので今もまだドキドキしてますけど」。

――これまではどんな役が多かったんですか?

「基本は落ち着いてる役とかちょっと暗めの女の人とか、大人の方にまぎれて実年齢より上の女の人の役を演じることが多かったです。だから、演技でここまで女子高生らしく振る舞うことに慣れてなかったので、最初はかなり戸惑いました。でも、なんだかんだ言ってまだ高校を卒業して少ししか経ってないはずなんですよね。それなのに、『おかしいなぁ、なんでこんなに女子高生できないんだろうなぁ』って(笑)」。

――そんなにですか(笑)。でも、本当にそんな不慣れさはまったく感じさせないくらい、女子高生できていましたよ!

「ありがとうございます。これでまた1つ殻を破れたというか、新たな世界が見えてきた気がします」。

――普段のゆりかさんは、役の珠希みたいに元気でやんちゃな性格ですか?

「楽しいときは思いっきり感情を出すほうですけど、基本1人のときは無心です。だから、そんなに似てないかもしれないですね」。

――まわりの人からなんて言われることが多い?

「これ、私は本当に否定したいんですけど、天然って言われることが多いんですよ。決して天然じゃない! 最初は『見た目は頭良さそう』とか『しゃべらなかったら大人っぽいよね』って言われるのに、ちょっとしゃべっただけで『ゆりかちゃんってそういう子だったんだ』って。『そういう子ってどういう子なの!』って言いたくなります(泣)。まったく自覚はありません。しっかりしてると思うんですけどね……」。

――それだけ言われるってことは、そろそろ自覚したほうがいいのかもしれませんね(笑)。

「う〜ん。気を許せる人の前だと、居心地がいいから素になっちゃうのかもしれないです」。


――実際に珠希くらいの年齢のときは、どんな女子高生でした?

「もちろんそれなりに女子高生らしく楽しく過ごせてたんですけど、今回のドラマで珠希を演じたことで、あらためて、まわりを意識することばかりで、他人に流されて本当の自分を見失っていたなって感じました。『舞え!KAGURA姫』の一番のテーマが『空気を読むな、息を合わせろ!』なんですけど、珠希はまさにそれを体現したかのような性格の女の子で。普段は明るくて元気でちょっとちゃらんぽらんなところもある“イマドキ女子高生”なのに、昔から情熱を注ぐ『神楽』という伝統芸能への思いがとっても強くて、『神楽』のことになるとこれでもかっていうくらい自分の思いを人に伝えるんです。私の場合は、やっぱりどうしても周囲に合わせないと学校生活をしづらくなっちゃうっていう思いが先行してたので、珠希はすごいなって思いました」。

――女子高生くらいの女の子って、大人数のグループにいるとどうしてもそうなっちゃいますもんね。

「女子高生ってすぐウワサが広まるし、変な勘違いが起きちゃいますからね(笑)。でも、そういうスクールライフが役にも影響するというか、そういう役をいただいたときに自分のリアルな経験を取り入れることもできるから、大事な思い出です」。

――ドラマの舞台が広島ということで、かなり方言もありました。

「本当に難しかったです。特にイントネーション。家で台本を読みながら覚えてるときは大丈夫なんですけど、実際に本番で口にするときにイントネーションを間違えちゃったり、けっこう注意されたりして大変でした。でもすごくおもしろかったので、他の方言にも挑戦してみたいです」。


――琉球方言とかどうでしょう?

「アイサー!」。

――さすがに適当すぎませんか(笑)。実際に広島での撮影はどうでしたか?

「実は地方ロケ自体も初めてで、2週間泊まりがけなのにマネージャーさんもいなくて、1人で広島へ行ったんです。だから最初は不安だったけど、地元の方も快く受け入れてくれたし、撮影も温かく見守ってくれたので、それが支えになりました。ご飯も素晴らしくおいしかったし、自然も豊かで、また機会があれば足を運びたいなって」。


――ご飯は何がおいしかった?

「泊まらせていただいた三次市の名物の唐麺焼! よくテレビで見てたんですが、麺に唐辛子を練り込んで、そこに辛いソースを混ぜて、ちょうどいい辛さでおいしかったです」。

――田舎で暮らしたい願望はありますか?

「ありますね。交通面に関してはちょっとなんとも言えないけど、“暮らす”っていうことに関しては、自然豊かな場所の方が絶対に適してるし、強くたくましく育つなって思いました。おばあちゃんになったら、田舎暮らしをしたいですね。のびのびと畑を耕して」。

――その他、演じる上で難しかったことはありますか?

「『神楽』への熱い思いを表現することが難しかったです。一緒に演じた葵わかなちゃんともどうやって掛け合ったら観てる人に伝わるんだろうって考えながら、監督さんとも手探りの状態で進めていって。とにかく、めんどくさいって思われても攻めて攻めてぶつかるっていうことを忘れないように演じました」。

――「神楽」への思いと同様、幼なじみの道郎君への思いも強い珠希でした。

「幼い頃からずっと『神楽』を教えてくれてたこともあって、“憧れ”の意味が強い恋心なんですよね。だから、特に恋愛感情を意識して演技してたわけではなく、“憧れ”の部分を強く意識しました」。

――ゆりかさんは、実際に恋心をいだいたら表に出しちゃうタイプですか?

「いや、全然出せないタイプです。出さない、かな。カゲで友だちと『あの人いいよね』って言ってる子。本人の前では普通に接しちゃいます」。

――それは恥ずかしいから?

「恥ずかしいっていうのもあるけど、向こうが私に興味があるか分からないのにガツガツ行っても申し訳ないなって思っちゃうんですよ。でもそれだと進展ないですもんね……。そういう部分でも、珠希は自分にないものを持ってるので尊敬します」。

――では、今年1年をざっと振り返ってみて、どんな年でした?

「本当にいろんなことをやらせていただきました。CMだったりMVだったり、今回の初地方ロケもそうですし、ジャンルを問わず幅広くお仕事をさせていただけた経験豊富な年だったなって」。


――特に印象に残っているお仕事を教えてください。

「全部すごく楽しかったし印象に残ってるんですけど、『JR東日本アプリ』のCMに出させてもらうことが決まったときは、普段みなさんが利用する電車に関わるお仕事だったので、本当にうれしかったです。CM撮影では、実際に見えていないキャラクターを演じなきゃいけなくて、緑の妖精になりきることを意識してました。CMならではの、決められた短い尺の中でちゃんと表現することがすごく難しくて。でも、監督さんの指示をいただきながら、場面をイメージして本当の『OK』が出るまで一切妥協せずに撮り続けるっていうのは、すごく楽しかったです」。

――電車の乗り換えは得意?

「少しでも気を抜くと、間違えちゃいます……。前に、余裕を持って駅に到着したにもかかわらず、そこから全然乗るはずじゃない電車に乗ってしまったことがあって、すごく悔しかったです。乗っていて、なかなか目的の駅の名前が呼ばれないなと思い携帯で確認したら、まったく反対方向の電車に乗っていたことが判明して。その日は遅刻しちゃって、気分は朝より格段に下がってしまいましたね」。

――今年一番成長できた部分はどこですか?

「人と会話ができるようになったこと。こうやってちゃんと人の話を聞いて理解して、ちゃんと自分の言葉で返せるようになったっていうことが、私にとってはすごく成長なんです。それはいつも一緒にいたマネージャーさんがよーく分かってると思うんですけど(笑)。それこそ去年までは、緊張がまず顔に出ちゃって、全然ハキハキできなかったんですよ」。


――じゃあ、緊張はもうあまりしなくなったんですね。

「今でも緊張しますよ。毎回緊張するんですけど、表に出さない限り下手はしないので……。表に出しちゃったら下手しちゃうから、極力抑えるようにしてます」。

――どんな下手をしたことがあるんですか?

「写真写りが悪くなったりとか(笑)。でも、それも今年いろんな経験をさせていただいたから、緊張にもようやく慣れてきたのかなって。来年の3月でハタチになるので、ハタチなりの対応をできるようにがんばりたいです」。

――大人の対応ですね。

「(大声で)大人の対応(笑)! そうですね。がんばらないと……。いろんな映画を観たり、美術館に足を運んでみたり、芸術に触れてたくさんのことを感じて成長できればいいなって思います」。

――将来的にアクションのお仕事をしたいのは、1年前と変わらずですか?

「変わってません! この1年でやらせていただく機会はありませんでしたが、アクションはずっと憧れてます。正義の味方になりたいんです。ヒーローです! 動きにキレがないのが残念なんですけど、言い続けることが大事だと思うので、お話をいただけたらがんばります。(力強く)ぜひ!」。



 
 


 
 

中村ゆりか(なかむら・ゆりか)

生年月日:1997年3月4日(19歳)
出身地:神奈川県
血液型:0型
 
 

【CHECK IT】
中学1年生のとき、渋谷でスカウトされて芸能界入り。2012年に映画「5windows」に主演。2014年にドラマ「家族狩り」(TBS系)で進学校の優等生ながら心に闇を抱える女子生徒を演じて注目される。2015年には連続テレビ小説「まれ」(NHK)でパティシエを目指すヒロインの師匠の娘・池畑美南役を熱演。スピンオフドラマ「まれ~また会おうスペシャル」の前編「僕と彼女のサマータイムブルース」ではメインキャストに。2016年3月から「JR東日本アプリ」(東日本旅客鉄道株式会社)のCMに出演中。また、10月から「シャキーン!」(NHK Eテレ/毎週月曜〜金曜7:00〜)のコーナー「いちぶんがく」に出演中。11月30日(水)22:00〜放送の広島発地域ドラマ「舞え!KAGURA姫」(NHK BSプレミアム)に美川珠希役で出演。

詳しい情報は公式サイトへ

 
 

広島発地域ドラマ「舞え!KAGURA姫」(NHK BSプレミアム)


詳しい情報は「舞え!KAGURA姫」公式HPへ

 
 

「JR東日本アプリ」(東日本旅客鉄道株式会社)CM

詳しい情報は「JR東日本アプリ」へ

 
 

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