PICK UP ACTRESS 岡崎紗絵
PHOTO=逢坂聡 INTERVIEW=斉藤貴志
「パーフェクトワールド」でヒロインの妹役
きれいごとでは済まない想いをハッキリ発言
――出演中のドラマ「パーフェクトワールド」は、事故で下半身不随になった鮎川樹(松坂桃李)と高校の同級生だった川奈つぐみ(山本美月)のラブストーリー。台本を読んでグッときたりもしました?
「それはあります。鮎川さんとお姉ちゃんのやり取りのひとつひとつが切なかったり、言葉を読んでいるだけでも胸が苦しくなりました」。
――そんな中で、しおりは最初「障がい者とはつき合えない」と言ったり、つぐみの恋に水を差す役どころでした。
「『きれいごとだけでは済まない』という立場を代弁しているのと、家族としてお姉ちゃんを22年間見てきて、そういう人を支えられるとは思えなくて。お姉ちゃんへの想いも裏にあるので、偏見だけで言っているわけではないんですよね」。
――しおりの台詞は「わかる」と思うことと、そうでないことがありますか?
「(樹の同僚の)晴人くんの義足を見て『無理』と言っちゃうのは、正直キツイなと思いました(笑)。しおりにもいろいろな思いがあるんでしょうけど、ハッキリ言っちゃう子なんですよね」。
――晴人と距離が縮まって「つき合おう」と言われたときも……。
「『他に好きな人がいる』とバシッと言って、晴人くんが一瞬で砕け散りました(笑)。そういうのはしおり節ですね」。
――障がいや介護の問題は紗絵さんの身近にはありますか?
「介護は経験ないですけど、知り合いに障がいを持った方もいらっしゃるので、遠いものでは全然ないです」。
――いろいろ考えさせられるドラマですよね。
「本当に考えさせられます。視聴者の皆さんも『自分だったらどうするだろう?』と考えるでしょうけど、私もお話に入って『実際にこうなったら、どうしよう?』とか、好きなだけでは乗り越えられないもどかしさとか、考えることはいろいろありました」。
――紗絵さん自身が障がいのある人を好きになったら?
「お姉ちゃんのつぐみと同じように、悩んだり葛藤しそうです。簡単にはいかないこともいろいろあるでしょうけど、その人の中身を本当に好きだったら、いいと思います。『無理』とは言わないですね(笑)」。
――ネットで展開しているチェインストーリーも含めて、しおりはいろいろな顔を持ってますよね。
「そうですね。『無理』と言っちゃったこともお母さんに話して、意外と後ろめたさはあったり、ただキツイだけではなく、やさしい心も持っています」。
――お母さんには「チャランポランに見えて、しっかりしてる」と言われてました。
「しおり自身も自分のことをそう思っているだろうし、お姉ちゃんより世間を知っていて世渡りが上手い。だから冷静に考えて『お姉ちゃんと鮎川さんは無理』と言っていた感じがします。ハンパな気持ちでおつき合いを始めて、あとになって『やっぱり無理だった』と断るより、初めから『無理なものは無理と言っておいたほうがいい』という思いはあるはずなんです」。
――しおりがレンタル彼女のバイトをしているのは、なぜなんですかね?
「そこはドラマには出てきませんけど、私が思うに、しおりは寂しい子なんですね。お姉ちゃんは小さい頃から体が弱くて、両親がつきっきり。自分のほうは『愛されてないんじゃないか?』という思いがあって、それがどんどん大きくなって、寂しさを埋めるためにレンタル彼女をやっているんじゃないかと」。
――レンタル彼女は人の寂しさを埋める仕事だと思いますが、しおりは自分の寂しさも埋めていたんですね。
「自分もそういう相手を必要としているというか。でも、レンタル彼女として繋がっていた晴人くんには『リオちゃん』と呼ばれていたのが、突然『しおりちゃん』になってました。ドラマで描かれてないところで本名を教えて、連絡先も交換して友だちになったんでしょうね。就活でもサラッと大きな会社に合格していて、本当に世渡り上手で要領がいいです(笑)」。
遊びっぽくて軽い恋愛を
したいとは思わないです
――しおりの人柄が象徴的に出たと思ったシーンはありますか?
「話が進んでいくうちにお姉ちゃんたちの恋愛を応援するようになって、晴人くんの義足のことに初めて触れて『取ったほうが楽なら取りなよ』と言ったシーンは、そうした心境の変化が出たと思いました。あと、終盤には冷静だったしおりが感情を爆発させるシーンがあります」。
――へーっ。それは見ものですね。
「クライマックスに向けて、みんなが爆発し出して、今まで見えてなかった本当の想いをさらけ出していきます。お姉ちゃんたちの行く末が一番気になるところですけど、しおりの恋愛も気にして観ていただけたら。晴人とどうなるのか。姉妹の幼なじみでお姉ちゃんを好きなヒロ(洋貴)への、しおりの隠してきた想いも出てきますから」。
――洋貴役の瀬戸康史さんとは、押し入れの上と下に入った写真がインスタに上がってたりしました。
「瀬戸さんとは毎回面白い写真を撮ることになっています(笑)。それでモノボケみたいなことが始まったり、楽しいです。現場はドラマ内の雰囲気そのままで柔らかくて、すごく居心地が良くて、『ずっといたい』と思ってしまいます」。
――しおりは恋愛経験は豊富なんですかね? 「女も男もガンガン攻めたほうがいい」「恋愛にルールなんてない」などと言ってました。
「そういうことが言えるのは、経験豊富だからなんでしょうね。他の人ともつき合ってはいたと思います」。
――「私は軽やかに恋愛したいの」と言ってたのは、女子としてわかるところ?
「『軽やか』がどんな意味なんでしょうね? あそこでは障がいを持つ人との恋愛と比べて言ったのかもしれませんけど、私自身は真剣にお付き合いするのはいいことだと思うので、遊びっぽい軽やかな恋愛をしたいというのはないです」。
――ベタな質問ですが、紗絵さんの好きな男性のタイプというと?
「男らしい人が好きです。優柔不断よりスパッて感じの人がいいですね」。
――「俺についてこい」的な?
「でも、『ついてこい』が過剰すぎると『エーッ?』となるので(笑)。置いてけぼりにならない程度に寄り添ってくれる男らしさがいいです。そんなちょうどいい人はいるのかな(笑)?」。
――お姉さんは実際にいるんでしたっけ?
「います。私と四つ離れていて、妹もいるので、つぐみとしおりが姉妹だからこそ、いろいろ言い合えるのはリアルに感じます。私は今は離れて暮らしてますけど、口ゲンカに見えるくらいポンポン言ってしまうことは実際ありました。好きな人のことも話してましたね」。
――だんだん夏が近づいてきましたが、紗絵さんは毎年、南の島に行くんでしたっけ?
「おととしは宮古島、去年は石垣島に行ったので、今年も絶対に行きたいです。去年は10月末くらいに行って、ちょっと寒かったから、今度は逆に皆さんが夏休みに入る前のすいてる時期に行こうかと思ってます」。
――お祭りに行くと「棒に刺さったキュウリを必ず食べる」という話もありました。
「食べます食べます。お祭りにも行きたいですね。私、大きい花火大会に行ったことがなくて……。大勢で集まって、ワイワイごはんを食べながら花火を見るって、日常ではないじゃないですか。そういうのに憧れます。穴場みたいなところで見られたらいいですね」。
――でも、基本インドアだったのでは?
「そうなんですけど、夏は比較的、外に出ます。普通の人に比べたら出ないほうだとしても、自分の気持ち的には天気がいいと外に出たくなるし、何か楽しいことをしたくなります」。
――暑くて冷房のきいた部屋にいたくなるわけでもなく?
「そういう日もありますけど、夏はむしろ開放的なんですよ」。
――春はオフがあると、何をしてました?
「ここ最近は、わりと友だちと会っていたかも。たまたまお休みが重なることも多くて、普通に誘って、ごはんやお買い物に行ってました。脱インドアになってきてますかね(笑)」。
岡崎紗絵(おかざき・さえ)
生年月日:1995年11月2日(23歳)
出身地:愛知県
血液型:B型
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「ミスセブンティーン2012」でグランプリに選ばれ、「Seventeen」(集英社)の専属モデルを2015年4月号まで務める。2016年5月号から「Ray」(主婦の友社)の専属モデルに。2015年から女優としても活動。主な出演作はドラマ「サイレーン 刑事×彼女×完全悪女」(関西テレビ・フジテレビ系)、「嫌われる勇気」(フジテレビ系)、「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ系)、「トレース~科捜研の男~」(フジテレビ系)、映画「脳漿炸裂ガール」、「ReLIFE リライフ」、「咲-Saki-阿知賀編 episode of side-A」、「不能犯」など。ドラマ「パーフェクトワールド」(関西テレビ・フジテレビ系/火曜21:00~)に出演中。
詳しい情報は公式HPへ
「パーフェクトワールド」
詳しい情報は「パーフェクトワールド」公式サイトへ