PICK UP ACTRESS 白本彩奈

PICK UP ACTRESS 白本彩奈

PHOTO=mika INTERVIEW=斉藤貴志

 
 

「仮面ライダーアマゾンズ」でヒロイン
死から蘇った役でハードな展開のカギに

 
 

――日本とベラルーシのハーフだそうですね。

「はい。お母さんがベラルーシ人です」。

――彩奈さんもベラルーシに住んでいたことが?

「住んではいないです。でも、年に1回は行けたら行きます。おじいちゃん、おばあちゃんが向こうにいるので」。

――どんな国なんですか?

「ヨーロッパで春は暖かくて、自然が豊かで、私みたいな能天気な人が多い(笑)、明るい国ですね。お母さんも自由な人だし、たぶん日本人よりオープンな感じです」。

――彩奈さんも人見知りとかしないタイプ?

「全然しません。あと、スケートや新体操やバレーボールが強くて、体が柔らかい人が多いです。私も硬くはないですね」。

――春は暖かいとのことでしたが、ロシアの隣りなんですよね? 寒くはならないんですか?

「冬はめちゃめちゃ寒いです。余裕でマイナスに行くくらい。北海道より寒いかな」。

――じゃあ、彩奈さんはそういう寒さに強い体質?

「末端冷え性です。東京でも冬は普通に寒いです(笑)」。

――3歳からモデルを始めたとのことですが、当時の記憶はあります?

「よく覚えてます。カタログモデルとか、いろいろやってました」。

――自分で「やりたい」と思ったんですか?

「そのときは事務所の社長さんとお母さんが仲良くて、『やってみる?』って感じでした。そこは外国人やハーフ専門の事務所で、私はそのなかでは日本人顔だったので、なかなかお仕事が決まらなくなって。そもそもそこまで乗り気ではなくて何となく入ったから、小学2年生で『もういいんじゃない?』って辞めることにしました。そしたら、ちょうど今の事務所にスカウトしてもらって……。本格的に始めたのは、そこからですね。11年目になります」。

――スカウトはどこでされたんですか?

「竹下通りです。歩いていて、マネージャーさんが中1ぐらいかと思ってスカウトしたら、小2だったという(笑)」。


――実年齢より上に見られることはよくあります?

「実年齢通りに見られることはなかなかないですね(笑)。いつも上に見られます。お母さんとごはんを食べに行くと、お母さんがよくお酒を頼むんですけど、必ずグラスが2コ出てきます(笑)」。

――20歳以上に見られると(笑)。

「私、そんなにフケてるかな(笑)? 日本人はベビーフェイスの方が多いじゃないですか。ベラルーシの人は顔立ちが大人な感じなので、たぶんその血のせいですね」。

――今の事務所に入ってからは女優を目指すように?

「テレビはもともと好きでしたけど、そのときは女優さんになりたいというより、『楽しそうだな』って感じでした」。

――最初に出演したドラマが「最後から二番目の恋」でしたっけ?

「そうですね。初めてのお芝居だったのに周りはベテランの方で、『迷惑をかけたらいけない』と思いつつ迷惑かけまくりでした。でも、今も中井(貴一)さんや飯島(直子)さんとメールしたり、仲良くさせてもらってます。私の成長を見守ってくれていて、自分を一番変えたというか、本気で『女優さんになりたい』と思うきっかけをくれた作品です」。

――テレビに自分が映るのは、どんな気分でした?

「保育園や小学校でも目立つことが好きだったから、『あっ、すごい!』みたいな。でも、そんなにビックリはしなかったです。周りの友だちのほうが盛り上がっていたかもしれません」。

――そして現在は、配信ドラマ「仮面ライダーアマゾンズ Season2」に出演中。ヒロインのイユ役で、オーディションで決まったんですよね。

「はい。1次は普通に台本を読む感じで、台詞が『あなたにはこのベルトを差し上げます』とか独特だなと思いました。2次は1人ずつ受けました。部屋に入った瞬間、審査員の監督さんたちが怖い印象でしたけど、私はそういうのに動揺するタイプではないので、普通にベラベラしゃべって『やっと笑ってくれた』と思って、自分らしくできました」。


――演技審査もイイ感じで?

「なんか“嫌味なことを言うおばさん”とか“色気のあるお嬢様”とか、その場でいろいろな設定でやりました。全然イユっぽくなくて、決まってから『こういう役か!』と知ってビックリしました」。

――イユは殺されて生体兵器になった役で、1・2話では台詞も「ターゲット確認」「アマゾン」ぐらい。感情がない役を演じるのは大変でした?

「あまり難しいとは感じませんでした。今までキツイ子の役や感情がハッキリした役しかやってなくて、むしろ『感情が見えない子をやりたい』とずーっと思っていたので。イユ役は『やってやる!』って感じでした」。

――無表情で気持ちも無になっていて?

「よく『(演技中は)何を考えてるの?』って聞かれますけど、本当に何も考えてませんでした。たまに『お腹すいたな』と思うぐらい(笑)」。

――アマゾン(人間を捕食する人工生命体)化したお父さんに家族が食べられていく回想シーンは、ショッキングだったのでは?

「私が今まで仕事したなかで、ダントツ1位で過激でしたね」。

――家が一面血の海で、イユも片目をえぐられて。

「そういうのは楽しかったというか。私はもともと血が苦手で、人の血も自分の血も見られないんですよ。自分で指を切って血が出ると、目をそむけて手を出して『早く(手当を)やって!』となります。痛くて泣くより、血が怖くて泣いちゃう。ゾンビ映画とかも『ウオッ!』となる人です。でも、いざ撮影現場に行ったら、『すごーい! こうなっているんだ!』みたいになりました」。

――血のりも大丈夫でした?

「すごく付けたので、逆にちょっとは血に抵抗が減ったかな? 血のりは“血”というより“のり”って感じでベトベトしていて。リアルでしたけど、前にもちょっとだけ付けたことはあったので、『ウワーッ!』とはなりませんでした」。


――イユはカラスアマゾンに変身します。

「私、変身したあとも自分が(着ぐるみに)入ってやるのかと思ってたんですよ(笑)。『アクションもやるのか……』って現場に行くまでドキドキしてたら、スーツアクターさんがいらっしゃって安心しました(笑)」。

――イユのまま、宙返りをするシーンはありました。

「初挑戦のワイヤーアクションで、あれもめちゃくちゃ楽しかったです。私、スポーツもいろいろやっているので、アクション監督さんに『こんなにすんなりできると思わなかった』と言われました。お腹の力が要るんですけど、私は体幹が鍛えられているから、普通に『できちゃった』という感じでした」。

――どんなスポーツをやってきたんですか?

「今は陸上部に所属していて、ハードルをやってます。東京都の大会では、必ず賞を取ってます。2位とか3位とか。小さい頃から習ってきたのは、水泳と踊るほうのバレエと球技のバレーです。中1でバスケットをやって、中2で陸上部に入りました。好奇心旺盛で、興味を持ったら、すぐやっちゃうんです」。

――そして、何でもできちゃうと?

「運動はわりと自信あります。自分で言うのもナンですけど、できるようになるまで努力する過程が好きです。勝負ごとも好きで、体育祭とかも熱くなります」。

 
 

現場では朝から騒いでましたけど
何も考えず無感情な役に入りました

 
 

――一方で、イユはアマゾンネオの千翼とのラブストーリーもあるんですか?

「そうですね。千翼役の前嶋曜くんが初演技で、わからないことだらけだったらしくて、私が『こうやったらいいんじゃない?』みたいに話してました。ちょっと弟っぽくて、かわいかったです(笑)」。

――演技は彩奈さんが先輩でも、前嶋さんは(撮影当時)19歳で、彩奈さんよりだいぶ年上ですが(笑)。

「でも現場で仲良くなって、よく音楽の話をしてました。曜くんがワンオク(ONE OK ROCK)が好きで、私も聴くので『いいよね』って感じで」。

――他に撮影で特に覚えていることはありますか?

「曜くんがテイクを重ねたときがあって、それが海のすぐ隣りのシーンで、私は薄着でノースリーブ。冬場に腕が出ていて、今までに経験ないくらい寒くて。それは思い出ですね。あと血の場面も印象的ですし、毎日が過激というか、何かしらすごいシーンがあるので、本当にハードでした」。

――1日の撮影が終わるとグッタリするような?

「でも、次の日も撮影があるから『よし、頑張ろう!』みたいな。現場ではみんな前向きでしたね。共演者の方も『朝からイユがメイク室にいてくれると、元気になるからうれしい』と言ってくれました。私、もう早朝からでも、ベチャクチャしゃべっていたので(笑)」。


――『おはスタ』でおはガールをやっていたから、朝に強くて?

「それもあるかもしれないですね。朝が早くても全然苦に感じなくて、むしろ楽しかったです」。

――そんなハイテンションから無感情なイユに、よく切り替えられましたね。

「『彩奈はイユになると反応してくれないから悲しくなる』とも言われました(笑)。私は現場でずっとピリピリしているのがイヤで、楽しむときは楽しみたい、やるときは集中してやりたいと思ってます。だから、しゃべるときはすごくしゃべって、役には自然になれちゃっていたのかな」。

――役者さんによっては、楽屋に入ったときから役になっているような人もいますが……。

「そう。キャラクターを作り込むと言いますよね。でもイユは作り込んだら、その分感情が入っちゃうから良くないかなと。無感情な役だし、考えずにやればいいかなと思いました」。

――なるほど。もともとテレビの『仮面ライダー』シリーズを観ていたわけではないんですよね?

「観ていませんでした。でもイユ役が決まってから、『アマゾンズ』のSeason1は拝見しました」。

――テレビシリーズ以上に刺激は強かったと思いますが……。

「最初は何が何だかわからなくて、初めて観るようなタイプのドラマでビックリしました。でも観ているうちにどハマリしちゃって、Season2もめちゃくちゃ面白いし、もう『アマゾンズ』のトリコになりました」。


――そこまでハマりましたか。

「いろいろな視点から観られて、人によって観方が変わると思うし、すごいなって」。

――4月から中3になりましたが、学校でも明るいんですか?

「なのかな? わりとアクティブです。誰とでもよくしゃべってます」。

――クラスの中心的な存在?

「ずっと代表委員をやってます。いわゆる学級委員ですね。本当は生徒会に入りたいんですけど、仕事もあるから迷惑をかけたらいけないし……」。

――リーダー的なことをやるのは好きなんですね。

「先頭に立って進んでいくのが好きです。体育祭とかでも盛り上げて、合唱コンクールでも指揮をやったり。行事にも積極的ですね」。

――仕事をやって部活をやって、そういうことも頑張っていたら、毎日が大忙し?

「わりとそうかも。のんびりするのも好きで、ずっと家にいて映画を観たりもしますけど、暇な時間が好きじゃないんです。何かしていたくて。休みがあったら絶対、『友だちを誘ってどこかに行こう!』みたいな」。

――こんなことに熱中している、というのはありますか?

「カフェめぐりが好きです。話題になっているお店に行ったり、あまり考えずに『いいな』と思ったところに入ったり。表参道とか中目黒とか裏原とか、そこら辺をめぐってます」。


――何かOLみたいですね(笑)。

「ホントですか? まあ、よく遊ぶのが仲良いメイクさんとか、年上のお仕事関係の友だちが多いので。最近お気に入りなのが、宇田川カフェです。カフェってオシャレすぎて入りづらいときもありますけど、宇田川カフェにはすんなり入れて。あと、kawara CAFEもジャズっぽい雰囲気でオシャレですけど、入りやすくて、おいしいです。古着屋をめぐるのも好きで、予定を決めないでフラッとお店に入ります」。

――学校の勉強も頑張っているんですか?

「中2の終わりはずっと『アマゾンズ』の撮影で、あまり学校に行けてなくて、成績がヤバイかなと思ったら、そうでもなかったです。お母さんに『受験はちゃんとしなさい』と言われているので、仕事も頑張りつつ、勉強優先になっちゃうかもしれません」。

――次は、どんな役を希望してます?

「取材で『ミステリアスな子をやりたい』と言っていたら『アマゾンズ』が決まったので、言えば現実になるのかな? ひと通り、いろいろな役をやってきましたけど、青春モノがやりたい! ラブコメディとか。でも私、今まではそういうオーディションを受けると、絶対にライバル役や意地悪な役になっちゃうんですよね(笑)。それはそれで、安定していいのかな?」。


――差し当たって「アマゾンズ」のイユには今後、どんな注目ポイントがありますか?

「必ず変化はあります。でも、堂々と変化を見せるのではなく、イユの気持ちになってないとわからない部分も多いです。逆にイユ目線になって観てもらったら、絶対ラストは泣くと思うので、1話1話見逃さずに楽しんでほしいです」。

 


 
 

白本彩奈(しらもと・あやな)

生年月日:2002年5月14日(14歳)
出身地:東京都
血液型:A型

 

【CHECK IT】

3歳からモデル活動を始め、2012年1月にドラマ「最後から二番目の恋」(フジテレビ系)で女優デビュー。主な出演作は「鳳神ヤツルギ2」(千葉テレビ)、「悪夢ちゃん」(日本テレビ系)、「牙狼-GARO- 闇を照らす者」(テレビ東京ほか)、「続・最後から二番目の恋」(フジテレビ系)など。2013年から2016年3月まで「キラ☆ピチ」(学研)でレギュラーモデル。2015年度に「おはスタ」(テレビ東京系)でおはガール。「すイエんサー」(NHK Eテレ)でMC。配信ドラマ「仮面ライダーアマゾンズSeason2」(Amazonプライム・ビデオ)にイユ役で出演中。

詳しい情報は公式HPへ

 
 

「仮面ライダーアマゾンズ Seasons2」

Amazonプライム・ビデオ https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y1RZH3Tで独占配信中(毎週金曜に新エピソード更新予定)


 

 

(C)2017「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映
 
 

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